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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10096
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年2月21日
裁判官
森義之森岡礼子古庄研

AI概要

【事案の概要】 本件は、特許無効審判請求を不成立とした特許庁の審決に対する取消訴訟である。被告ミサワホーム株式会社及び城東テクノ株式会社は、名称を「台輪、台輪の設置構造及び設置方法」とする発明につき特許(特許第4589502号、請求項の数5)の設定登録を受けていた。台輪とは、住宅の基礎コンクリートと、その上に設置される土台との間に介在させる板状の部材で、通気性を確保しつつ土台を湿気から保護する役割を担う部材である。本件特許発明の特徴は、複数の台輪を基礎上端に長手方向に沿って接続して敷き込む構成を採り、各台輪本体の両端部に嵌合部と被嵌合部を幅方向に並べて配置することで、台輪の向きを逆にしても隣接する他の台輪と接続できる点にある。これにより施工現場での向きを気にせず連結作業を進められるという実務上の利便性が得られる。 原告吉川化成株式会社は、本件特許発明は公知文献(甲1〜3)に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たものであり、特許法29条2項違反により無効とされるべきであるとして無効審判を請求した。特許庁は平成30年6月12日、進歩性を認めて無効審判請求を不成立とする審決をし、原告がこれを不服として審決取消しを求めたのが本件である。 【争点】 本件発明と主引例である甲1発明(コンクリート基礎と土台間に介装する通気用台座に関する実用新案考案)との相違点につき、当業者が容易に想到し得たか否かが争点となった。特に、基礎上端に台輪を隙間なく複数接続して敷き込む構成(相違点1)と、嵌合部と被嵌合部を幅方向に並べて配置し長手方向の向きを逆にしても接続可能とする構成(相違点3)について、甲1発明に甲2以下の公知技術や周知技術を組み合わせて容易想到といえるかが主たる争点となった。 【判旨】 知財高裁第2部は原告の請求を棄却した。相違点3に関し、原告は、向きを逆にしても接続可能とする接続方式が技術分野を問わない周知技術であると主張したが、裁判所は、当該技術事項が開示されている甲7(芝生保護材)、甲8(配線路用ブロック)、甲10(乗用玩具用レール)はいずれも台座・台輪が属する建築分野とは大きく異なる技術分野に属しており、わずか3件の公報開示をもって技術分野を問わない周知技術とは認められないと判断した。また、甲1発明は基盤中央にアンカーボルト挿通孔を形成し通気孔を等間隔で形成することを前提とする比較的短尺の台座であるから、長手方向の向きを逆にする発想自体が想定されず、当該構成を適用する動機付けもないとした。その他の公知文献にも当該構成は開示されていないことから、相違点3に係る構成は当業者が容易に想到し得たものではないとし、その余の取消事由について判断するまでもなく原告の請求には理由がないと結論づけ、無効審判不成立審決を維持した。本判決は、いわゆる周知技術の認定につき、複数の公報に類似構成が記載されていても技術分野の関連性を欠く場合は当該技術分野における周知技術とは認められないことを示した実務上参考となる事例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。