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下級裁

慰謝料等請求事件

判決データ

事件番号
平成28ワ2745
事件名
慰謝料等請求事件
裁判所
京都地方裁判所
裁判年月日
2019年2月25日
裁判種別・結果
棄却

AI概要

【事案の概要】 本件は、京都市が運営する市営バスの運転士である原告が、ブレーキ操作時に異常な音や振動(本件異音等)が発生するバスへの乗車を命じられたことにより、生命・身体への具体的危険と精神的苦痛を被ったと主張して、京都市に対し、当該バスへの乗車命令の差止めと慰謝料10万円の支払を求めた事案である。 問題となった車両は、平成14年から16年にかけてA営業所に導入された日産UA272KAM型車両15台であり、導入当初からブレーキ操作時に通常とは異なる大きな音と振動が発生することがあった。平成27年から平成28年にかけ、原告が運転するバスでも、交差点の横断歩道手前で停止する際に本件異音等が発生し、停止線を越えて進入するなどの事象が複数回生じた。 メーカーによる試験の結果、本件異音等は、段差乗り越え時などに前軸の上下動が大きい状態で前軸ブレーキを作動させた際、ブレーキドラムとライニング(摩擦材)間で発生した振動が前車軸に伝播・増幅し、車体全体に共振する現象であることが判明した。ただしブレーキの制動力自体には影響がないとされた。被告は、本件バス1・2をメーカーに預託するとともに、部品交換等の対策を順次実施し、平成29年12月以降は発生報告が大幅に減少した。 原告は、本件異音等の発生により予定停止場所に停止できず交通事故を惹起する現実的危険があるとして、人格権又は雇用契約上の安全配慮義務に基づく差止請求と、不法行為に基づく損害賠償を求めた。 【争点】 主たる争点は、第一に請求の趣旨の特定性(本案前の答弁)、第二に本件異音等の発生に伴う現実的かつ切迫した危険の有無及び程度、並びに人格権又は安全配慮義務を根拠とする差止請求権の成否、第三に被告の不法行為の成否である。 【判旨】 京都地方裁判所は、原告の請求をいずれも棄却した。 まず請求の特定性については、原告が被告に対し本件安全配慮義務又は人格権に基づき本件市バスに乗車せよとの命令をしないよう求めている趣旨が明らかであるとして、請求は特定されていると判断した。 もっとも本案の判断において、人格権に基づく差止請求権の成立には少なくとも侵害行為による被害発生の現実的危険(切迫した危険)が必要であり、安全配慮義務による差止めが認められ得るとしても同様の危険の存在を要すると解した上で、本件異音等による制動力への客観的影響は認められないとした。メーカー試験においても異音発生時と不発生時で制動距離に差がなく、車検や法定点検でもブレーキに異常は見つかっていないことから、ブレーキが効かなくなるとの原告の主張は採用できないとした。 また運転士らが本件異音等発生時にブレーキを緩めて踏み直す対応を取ることで予定停止場所を越える事例があったことは認めつつも、これにより交通事故や乗客・運転士への客観的危険が現実化した事態は確認できず、運転士らは状況に応じて適切に対応していると評価した。さらに被告の対策により発生は大幅に減少していることも考慮した。 運転士が抱く事故への不安についても、他の運転士から乗車拒否の申出がなく、本件異音等に慣れて報告をしない運転士すら存在した状況に照らせば、個人の主観的不安にとどまると判示した。 以上から、現実的危険の存在を前提とする差止請求は認められず、被告の対応は安全配慮義務に違反するとも認め難いとして、不法行為に基づく慰謝料請求も棄却された。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。