都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3141 件の口コミ
知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10143
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年2月27日
裁判官
高部眞規子杉浦正樹片瀬亮

AI概要

【事案の概要】 本件は、商標「LOG」(登録第5890540号、標準文字)の登録無効をめぐる審決取消訴訟である。被告(株式会社アールシーコア)は、平成28年に第36類の「建物の貸借の代理又は媒介、建物の貸与、建物の売買、建物の売買の代理又は媒介」及び第37類の「建設工事、建築工事に関する助言」等を指定役務として「LOG」商標を登録した。原告(株式会社9GATES)は、平成29年12月に商標登録無効審判を請求したが、特許庁は平成30年8月、「LOG」は商標法3条1項3号(役務の質等を普通に用いられる方法で表示する標章)及び4条1項16号(質の誤認を生ずるおそれがある商標)のいずれにも該当しないとして請求を不成立とする審決をした。そこで原告が審決の取消しを求めて本件訴訟を提起したものである。商標法3条1項3号は、商品や役務の質・用途等を単に表示するにすぎない記述的商標について、特定人に独占使用を認めることが公益上適当でなく、かつ自他識別力を欠くものとして登録を排除する趣旨の規定であり、本件では「LOG」が建物関連役務の質や提供の用に供する物(ログハウス・丸太材)を表示するものと需要者・取引者に認識されるか否かが焦点となった。 【争点】 「LOG」のみからなる本件商標が、指定役務(建物の売買・貸借・建設工事等)との関係において商標法3条1項3号に該当するか否か、すなわち本件役務の質又は提供の用に供する物を普通に用いられる方法で表示する標章に当たるか否かが主たる争点である。被告は「LOG」には「記録」「航海日誌」「対数」など多義的な意味があり、「ハウス」と結合して初めて「丸太」を想起させるにすぎず、「LOG」単独からは一義的に「丸太」の意味は生じないと主張した。これに対し原告は、不動産業界や建築業界において「LOG」「log」「ログ」が広くログハウスや丸太材を意味するものとして使用されている実態を指摘した。 【判旨】 知財高裁第1部は、商標法3条1項3号該当性は需要者・取引者が当該商標から指定役務の質等を表示するものと「一般に認識され得る」かで判断されると示したうえで、査定時(平成28年10月)までの多数の証拠を精査した。その結果、本件役務に関する分野では、役務提供主体の名称(「ログ工房」「ログホームズ」等多数)や客体の名称(ログハウス・ログコテージ等の宿泊施設名・ブランド名)、さらには「ログハウス」「ログキャビン」「ログ材」「角ログ」など膨大な複合語において、「LOG」「Log」「log」「ログ」が、丸太で構成される建物又は丸太風の壁材で構成される建物を表示するものとして数多く使用されてきた事実を認定した。そして、「LOG」が他の語と無関係に丸太とは異なる意味で用いられた例は僅か5例にすぎないのに対し、丸太関連の用例は極めて多数に及ぶことから、「LOG」単独であっても本件役務の需要者・取引者はログハウス等一定の内容を認識すると判示した。「ハウス」と結合した場合に限って「丸太」が想起されるにすぎないとの被告主張は排斥された。よって本件商標は本件役務の質又は提供の用に供する物を普通に用いられる方法で表示するものとして3条1項3号に該当し、これを否定した本件審決は誤りであるとして、取消事由2(4条1項16号)の判断を要せず、審決を取り消した。本判決は、識別力判断において当該業界における使用実態の網羅的調査が決定的な役割を果たすことを示すとともに、短い英単語であっても業界内の用法の蓄積により記述的商標と評価され得ることを明らかにした点で実務的意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。