都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3306 件の口コミ
知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10162
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年2月28日
裁判官
森義森岡礼古庄

AI概要

【事案の概要】 本件は、ホタテ貝の養殖に用いる「連続貝係止具」(ロープに貝を固定するためのピン状器具)に関する特許を保有する被告に対し、原告らが当該特許の無効審判を請求したところ、特許庁が請求を不成立とする審決をしたため、原告らがその審決の取消しを求めて知的財産高等裁判所に提起した審決取消訴訟である。 問題となった特許(以下「本件特許」という。)は、発明の名称を「連続貝係止具とロール状連続貝係止具」とするもので、平成18年5月24日を原出願日とし、平成23年8月12日に設定登録された(特許第4802252号)。その要旨は、細長い基材の両端に貝止め突起を設け、その内側にハ字状に2本のロープ止め突起を配し、多数の貝係止具を可撓性連結材によりロール状に巻き取れる形で連結した点にある。 原告らは、本件特許の原出願日より前に、本件発明と同一の形状の「つりピン」が掲載されたサンプルシート(甲41の4)が原告有限会社シンワによりホタテ養殖業者等の見込み客に配布されており、本件発明は公然知られたものであったと主張した。特許庁は、甲41の4等の書証が本件原出願日前に頒布されたと認めることはできないとして、新規性・進歩性いずれについても無効理由を認めず、原告らの請求を不成立とした。 【争点】 最大の争点は、本件特許の新規性の有無、すなわち甲41の4のサンプルシートが本件原出願日(平成18年5月24日)より前に頒布され、本件発明が同日前に公然知られた発明であったと認められるか否かである。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、審決を取り消した。 裁判所は、まず甲41の4について、これが別件の商標権侵害差止等請求事件において平成19年5月22日に東京地方裁判所に証拠として提出されたものであり、原告シンワが被告の得意先に営業した事実を立証する趣旨で提出されたことを認定した。そして甲41の4には「2006年販売促進キャンペーン」「予約5月末まで・納品5月20日~9月末」「早期出荷用グリーンピン 特別感謝価格」等の記載があり、ハ字状の突起とそれを連結する2本の直線状部分を有する「つりピン」が図示されていることを確認した。 その上で裁判所は、記載内容、特に「納品5月20日~」の文言からすれば、甲41の4と同一内容の書面が平成18年5月20日以前にホタテ養殖業者等の相当数の見込み客に配布されていたことが推認されると判断した。そして、同書面に添付されていた「つりピン」の形状は、本件発明1~3の構成要件をいずれも充足するものであり、その材質が樹脂で、ロール状に巻き取り可能な可撓性を備えたものと認められることから、本件発明は本件原出願日前に公然知られていた発明に当たるとした。 被告は、甲3(2005年のサンプルシート)や甲5(2009年のサンプルシート)には納品日の記載がないのに甲41の4にのみ記載がある点など、甲41の4の記載内容の不自然性を指摘したが、裁判所は、甲41の4が期間を区切って特別価格を提示する販売促進キャンペーン用チラシであるのに対し、甲3・甲5は商品一覧を示すことを目的とする書面であって文書目的が異なると指摘し、被告の主張を排斥した。 以上から、本件発明は特許法29条1項1号に該当し特許を受けることができないとして、新規性に関する審決の判断は誤りであり、取消事由1には理由があると結論づけ、審決を取り消した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。