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損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ16958
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年2月28日

AI概要

【事案の概要】 本件は、英会話教材「スピードラーニング」の販売元である原告(株式会社エスプリライン)が、かつて競合商品「スピードイングリッシュ」を製造・販売していた被告(ラクサス・テクノロジーズ株式会社。現在はブランドバッグのレンタル事業を中心に展開)に対し、被告が商品販売用に制作・配布した宣伝DVD(被告DVD)が、原告の宣伝DVD(原告DVD)に関する複製権、翻案権、同一性保持権等を侵害したとして、民法709条に基づき損害賠償を請求した事案である。 原告DVDも被告DVDも、いずれも英会話教材の購入検討者等に向けて配布される宣伝用映像であり、イントロダクション、受講者インタビュー、商品紹介、商品特徴の説明、開発者等のインタビュー、エンディングという7段階の構成をとる点、白い扉の奥に宇宙が広がる演出、英語学習のステップを空に浮かぶ階段に見立てる演出、三色の球体による商品特徴の説明、日本列島が光り世界へ広がるエンディング映像など、数多くの場面で共通する表現を含んでいた。原告は主位的に原告DVDが「映画の著作物」または「編集著作物」に該当するとして複製権・翻案権侵害を主張し、予備的に原告DVDのスクリプト(ナレーション部分)が「言語の著作物」に当たるとして複製権・翻案権・譲渡権侵害を主張した。被告は、共通するのはアイデアや創作性のない表現にすぎず、また原告の請求は別件の著作権侵害訴訟(原告敗訴確定)後に提起されたもので権利濫用に当たるとも争った。 【争点】 主たる争点は、(1)被告DVDが原告DVDの複製または翻案に当たるか(映画の著作物性、編集著作物性、言語の著作物性)、(2)同一性保持権侵害の有無、(3)損害額、(4)原告の請求が権利の濫用に当たるかである。著作権法の枠組みでは、表現それ自体でないアイデアや、ありふれた表現、一般的な事実の記述は保護対象とならないため、共通点のうちどこまでが「創作的表現」として保護され、その本質的特徴を被告DVDから直接感得できるかが中心的な論点となった。 【判旨】 東京地裁は、原告DVDの各構成要素を項目ごとに精査し、(1)白い扉の奥に宇宙と英会話学習の動機となる写真が現れる場面、(2)太陽光を含む空の情景と商品周囲を受講者写真が回転するイントロ終盤、(3)英語学習のステップを空に浮かぶ階段の側面に順次表示する商品紹介、(4)日本列島が光り地球の周囲を写真が回るエンディングおよび日の出から青空への移行場面について、具体的表現に作成者の個性が現れた創作的表現であり、被告DVDから原告DVDの表現上の本質的特徴を直接感得できると判断した。他方、受講者インタビューの構成、三色の球体による説明、赤ちゃんが言葉を習得する過程の引用、サポートシステムの紹介等、その余の共通点はアイデアまたはありふれた表現にとどまり創作性が認められないとした。また、7段階の全体構成も、英会話教材の宣伝映像として一般的であるから、構成自体の共通性をもって創作性は認められないとした。 以上から、被告DVDは上記の創作性ある項目について原告DVDを翻案し、かつ同一性保持権を侵害したと認め、編集著作物および言語の著作物としての主張はいずれも退けた。損害については、被告DVDの頒布枚数215枚、1枚当たりの相当使用料を1000円と認定して著作権法114条3項により翻案権侵害分21万5000円、同一性保持権侵害による無形損害10万円、弁護士費用5万円の合計36万5000円を損害額とした。権利濫用の抗弁については、著作権侵害を認識した時点で直ちに差止請求をしなければならない義務はなく、別件訴訟の存在も本件提訴を権利濫用とする根拠にはならないとして排斥し、請求を一部認容した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。