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知財

特許権に基づく損害賠償請求権不存在確認等請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30ネ10065
事件名
特許権に基づく損害賠償請求権不存在確認等請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年3月4日
裁判官
高部眞規子杉浦正樹片瀬亮
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、iPhone等を製造販売する控訴人アップル インコーポレイテッド及びApple Japan合同会社が、半導体大手のクアルコム インコーポレイテッド及びその子会社3社に対し、iPhone等の原告製品の生産・譲渡等が被控訴人クアルコムの保有する特許権(データ伝送速度制御に関する特許第4913343号)を侵害しないと主張して、被控訴人らが本件特許権に基づく損害賠償請求権及び実施料請求権を有しないことの確認を求めた事案の控訴審である。 原告製品は、被控訴人クアルコムから製造受託業者(CM)に供与されたライセンス(CMライセンス)に基づき製造されており、控訴人らは本件特許権がCMライセンスの対象に含まれるかについて疑義があると主張した。原審東京地裁は、確認の利益を欠く不適法な訴えとして却下したため、控訴人らが控訴するとともに、対象製品にiPhone XS、XS Max、XR等を追加する訴えの変更を申し立てた。 【争点】 主たる争点は、本件特許権に基づく損害賠償請求権及び実施料請求権の不存在確認の訴えについて、確認の利益が認められるか否かである。具体的には、CMライセンスの対象に本件特許権が含まれることの認定、本件ライセンス交渉における被控訴人クアルコムの侵害主張と評される言動の有無、米国訴訟における被控訴人クアルコムの申立内容の評価、被控訴人クアルコム子会社に対する確認の利益の有無が問題となった。また控訴審での訴えの追加的変更の許否も争点となった。 【判旨】 知財高裁第1部は、本件控訴をいずれも棄却し、訴えの変更も許さないと判示した。まず、被控訴人クアルコムジャパンの本店が日本国内にあること、日本特許権侵害に基づく損害賠償請求権の不存在確認が不法行為に関する訴えに該当することから、我が国の国際裁判管轄を肯定した。訴えの変更については、控訴審での追加的変更を認めれば被控訴人らの審級の利益を害し訴訟を著しく遅延させるとして却下した。 確認の利益については、被控訴人らが原審から一貫して「CM4社へのCMライセンス供与により原告製品1の供給を受けている控訴人らに対し、本件特許権に基づく請求権を有せず行使する意思もない」と明確に表明していること、ドイツ訴訟や台湾当局の動向を踏まえてもCMライセンスが有効に存続し本件特許権が対象に含まれると認められることから、現に控訴人らの法律上の地位に危険・不安は生じていないと判断した。また、被控訴人クアルコムのレター中の「ライセンスなしでは侵害する」との記載は、控訴人側からの要請に応じた見解表明にすぎず、侵害の予告とは評価できないとした。米国訴訟における反訴も、FRAND条件適合確認の申立てが中心で、後に関連部分は取り下げられ、さらに本件米国対応特許について全世界的・撤回不能の不提訴誓約がなされていることから、権利行使の現実的危険を基礎づけないとした。子会社に対する訴えも、本件特許権の保有者ではなく権利行使の具体的危険が立証されていないとして確認の利益を否定した。 本判決は、標準必須特許(SEP)のライセンス交渉下における権利不行使の表明と確認の利益の関係を示した事例として、FRAND交渉の実務的指針を提供するものといえる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。