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最高裁

売買代金請求本訴,損害賠償請求反訴事件

判決データ

事件番号
平成29受1372
事件名
売買代金請求本訴,損害賠償請求反訴事件
裁判所
最高裁判所第一小法廷
裁判年月日
2019年3月7日
裁判種別・結果
判決・破棄差戻
裁判官
山口厚池上政幸小池裕木澤克之深山卓也
原審裁判所
大阪高等裁判所

AI概要

【事案の概要】 印刷物等の製造会社である原告(上告人)が、日用品雑貨の輸出入・販売会社である被告(被上告人)に対し、売買契約に基づく代金約2813万円等の支払を求めた事案(本訴)である。第一審は原告の請求を約1310万円の限度で認容したが、仮執行宣言は付されなかった。控訴後、原告は上記売買代金債権を被保全債権として、被告の取引先百貨店(本件第三債務者)に対する売買代金債権につき仮差押命令を申し立て、同命令が発令・執行された。被告は解放金を供託して執行取消しを得たうえ、保全異議を申し立て、保全の必要性を欠くとして仮差押命令は取り消された。被告は、当該仮差押申立てが違法な不法行為に当たるとして、逸失利益等の損害賠償債権を自働債権とする相殺を主張し、本訴請求を争った。原審は、仮差押えがなければ被告が本件第三債務者との取引で少なくとも3年分の利益を得られたはずであるとして逸失利益を認め、相殺によって売買代金債権の一部が消滅したと判断した。 【争点】 違法な債権仮差押申立てと、仮差押えを受けた債務者が第三債務者との間で将来得られたはずの利益(逸失利益)の喪失との間に、相当因果関係が認められるか。とりわけ、継続的取引の合意がなく散発的に取引が行われていた場面で、将来の取引継続を具体的に期待できる事情があったといえるかが問題となった。 【判旨】 最高裁は原判決のうち逸失利益に関する部分を破棄し、大阪高裁に差し戻した。すなわち、被告と本件第三債務者との間には1年4箇月で7回の取引があったに過ぎず、継続取引の合意もうかがわれず、打診のうち実取引に至らなかったものも多く、4、5箇月取引が行われない期間もあった以上、将来にわたり従前同様の取引が反復継続されると期待できる事情があったとはいえない。第三債務者が新規取引に応じるか否かは自由な意思に委ねられており、金銭債権の仮差押命令は特段の事情がない限り第三債務者が債務者と新たな取引を行うことを妨げるものではない。加えて、被告は年間売上高26億〜57億円、現預金・売掛金のみでも16億円超の資産を有する会社であり、本件仮差押えの執行も送達の5日後には取り消され通知もされていた。第三債務者が新規発注をしない理由として仮差押えを特に挙げた事情もない。これらを総合すれば、仮差押えにより被告の信用がある程度毀損されたとしても、逸失利益との間に相当因果関係があるとはいえないとした。 【補足意見】 裁判官全員一致の意見であり、補足意見・反対意見はない。本判決は、違法な保全申立てによる逸失利益の賠償につき、継続取引の具体的期待可能性と、仮差押命令が第三者との取引自体を法的に阻害しないという制度的性質を踏まえた相当因果関係の判断枠組みを示したものであり、保全実務および損害賠償実務に重要な指針を与えるものである。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。