都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3131 件の口コミ
下級裁

強盗殺人

判決データ

事件番号
平成29わ488
事件名
強盗殺人
裁判所
名古屋地方裁判所
裁判年月日
2019年3月8日
裁判官
吉井隆平細野高広小宮思帆音

AI概要

【事案の概要】 被告人は、平成29年3月1日、名古屋市内の自宅近くで通りかかった隣家付近において、B(当時80歳)から「遊びに行って来たの」「仕事もしてないのにいい御身分ね」などと声をかけられて立腹し、帰宅後も怒りが収まらなかったことから、Bを殺害しようと決意して自宅から包丁を持ち出しA方へ向かった。被告人は、A方居間で、A(当時83歳)と目が合ったことからとっさに殺害を決意し、その頸部等を包丁で突き刺してAを殺害し、さらにBの頸部等を包丁及び小刀で突き刺してBを殺害した上、被害者方から現金1227円及び財布1個を持ち去った。検察官は当初から金品強取の目的があったとして強盗殺人罪で起訴し、死刑を求刑した。 【争点】 被告人に強盗目的があったか(強盗殺人罪の成否)、及び本件当時の被告人の責任能力(軽度知的障害と複雑性PTSDに基づく解離性症状の影響により心神耗弱の状態にあったか)が主たる争点となった。弁護人は強盗目的を否認し、かつ心神耗弱を主張したのに対し、検察官は、借金・ツケに追われていた経済的困窮、被害者方への物色行為、財布の持ち去り等から強盗目的を立証しようとした。 【判旨(量刑)】 裁判所は、借金・ツケは合計6万6000円程度にとどまり、被害者方に高額な金銭があると被告人が認識していた証拠もないこと、物色行為はトートバッグに限られ、強盗目的であれば不自然に狭い範囲にとどまっていること、被害者殺害後に金品窃取を思い立った可能性を否定できないことを指摘し、強盗目的を認めず、殺人2罪と窃盗罪の併合罪と認定した。責任能力については、E医師の鑑定を採用し、被告人は軽度知的障害により衝動的・短絡的に行動する傾向があるものの、健常者との境界域に近く、自ら包丁を持ち出し、刃が折れた後は小刀に持ち替えるなど合目的的な行動をとり、指紋を残さないよう靴下を手にはめる等違法性の認識もあったとして、完全責任能力を肯定した。一方、F教授の主張する複雑性PTSDによる解離性症状は、過去のエピソードとの性質の相違や本件時の記憶の保持状況から信用できないとした。量刑では、2名の尊い生命が奪われた結果の重大性、執ような犯行態様、短絡的動機、峻厳な遺族の処罰感情を踏まえ刑事責任は極めて重いとしつつ、Aの殺害は当初から意図されておらず計画性は死刑選択例ほど高くないこと、軽度知的障害の影響、自首による捜査進展への寄与を酌み、死刑選択はやむを得ないとまでは認められないとして、被告人を無期懲役に処した。裁判員裁判において、強盗目的の立証と責任能力判断を慎重に切り分け、死刑求刑に対し無期懲役を選択した事例として実務上参考になる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。