都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3083 件の口コミ
下級裁

自動車運転過失傷害被告事件

判決データ

事件番号
平成27わ93
事件名
自動車運転過失傷害被告事件
裁判所
札幌地方裁判所
裁判年月日
2019年3月11日

AI概要

【事案の概要】 被告人は職業バス運転手であり、平成25年8月26日、中型乗用バスに乗客を乗せて高速道路(北海道縦貫自動車道)上り線を時速約98キロメートルで走行中、走行車線から左斜め前方に逸脱し、道路左側のガードケーブルに左後部を接触させた後、右斜め前方へ暴走して中央分離帯のガードケーブルに衝突、車両が左側面から横転する事故を起こし、乗客13名に傷害を負わせた。検察官は主位的訴因として前方注視義務違反及びハンドル・ブレーキ的確操作義務違反の過失を、予備的訴因として異常感知後に直ちに停止すべき注意義務違反の過失を主張し、自動車運転過失傷害罪で起訴した。弁護人は、本件バスのセンターメンバー(フロントサスペンションを車体に固定する箱型部品)及びNo.2アウトリガーが腐食により走行中に破断し、安定的ハンドル操舵が不可能となったことが事故原因であり、回避不可能であったと主張した。 【争点】 第一に、事故原因がセンターメンバーの破断による操舵困難にあったのか、被告人の運転過失にあったのか。第二に、仮に車両故障が認められても、被告人が異常を感知した時点で直ちに制動措置を講じるべき結果回避義務を負っていたか、及び結果回避可能性があったか。 【判旨(量刑)】 札幌地裁室蘭支部は被告人に無罪を言い渡した。主位的訴因について、被告人が異音、ハンドルの振動、左右のぶれ等の異常を感知したとの供述はセンターメンバーの9割程度の部分破断時に生じる車両挙動と整合しており、最前列乗客Aの「異常を感じなかった」との供述は事故から約2年半経過後のもので記憶保持に疑義があること、被告人の供述核心部分は事故直後から一貫していること等から排斥できないとした。その結果、事故原因がセンターメンバー部分破断による安定的操舵困難にあった可能性について合理的疑いが排除できず、前方注視義務違反及びハンドル・ブレーキ的確操作義務違反の過失は認められないとした。予備的訴因についても、高速道路の制限速度付近で走行中に車線上で停止することは後続車追突の危険があり、原則として他の回避措置では事故を回避できないことが予見可能な緊急時に限られると判示した。2回の蛇行時点ではハンドル操作が一定程度利いていたことが推認され、またハンドル振動等を感知した時点でも路肩への安全停止が不可能なほど操舵不能であると予見することはできなかったとして、直ちに制動措置を講じる注意義務を否定した。さらに、検察官が依拠したコンピューターシミュレーション(SIMPACK等を用いたもの)についても、現場が緩い右カーブである点、路側帯幅、他部品の腐食影響等が反映されておらず、運転手のハンドル操作の可能性も一義的でないとして、結果回避可能性の立証は合理的疑いを残すと判断した。以上より、刑事訴訟法336条に基づき無罪を言い渡した。車両の隠れた構造的欠陥(センターメンバー腐食破断)が事故原因となった事案において、運転手に過失責任を問うことの限界を示すとともに、高速道路上の急停止義務を緊急状況下に限定し、コンピューターシミュレーションによる結果回避可能性立証に慎重な姿勢を示した意義のある判断である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。