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知財

手続却下処分取消等請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30行コ10002
事件名
手続却下処分取消等請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年3月14日
裁判官
大鷹一郎古河謙一関根澄子
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 ベルギー法人である本件出願人は、日本を指定国とする外国語の国際特許出願(PCT出願)をし、特許法184条の4第1項の定める国内書面提出期間内に明細書等の日本語翻訳文を提出すべきところ、期間内に提出することができなかった。出願人側の特許事務所では、補助者Aの手入力時の誤入力により期限管理システム上の期日が誤って登録されており、Aの2週間の長期休暇中に開かれた定例ミーティングでも誤りが発見されなかった。 出願人は期間経過後に、期間徒過について同条4項の「正当な理由」があるとして、国内書面及び明細書等翻訳文を提出したが、特許庁長官は「正当な理由」は認められないとして、本件国際特許出願は同条3項により取り下げられたものとみなされると判断し、国内書面に係る手続の却下処分をした。出願人から本件出願を承継した控訴人が、同処分の取消しを求めたが、原審東京地裁は請求を棄却し、控訴人が控訴した事案である。 【争点】 (1) 補助者の誤入力に起因する期間徒過について、特許法184条の4第4項の「正当な理由」が認められるか。特に、特許庁の策定した救済規定ガイドラインの定める「相応の措置」の3要件(選任・指導指示・管理監督)の充足で足りるかどうか。 (2) 外国語特許出願において国内書面提出期間内に翻訳文の提出がなかった場合、法184条の5第2項1号の補正命令を発することなく却下処分をすることが、パリ条約2条の内国民待遇の原則に反しないか。 【判旨】 控訴棄却。ガイドラインは特許庁の運用指針を示すものにとどまり、法規範性を有しない。「正当な理由」の有無は、期間徒過の原因となる具体的ミスを防ぐための相当な注意が尽くされたか否かという観点から個別に判断すべきである。本件事務所がISO9001認証を取得し期限管理システムを運用していたこと自体は業務水準の一指標にすぎず、直ちに相当の注意を尽くしたとはいえない。補助者Aの休暇中の定例ミーティングでも、国内移行指示レターの送信受領を確認したのみで、手入力部分のクロスチェックは行われていない。長期休暇が事前に予定されていた以上、休暇前に担当業務の進捗や代替体制を把握し必要な指示を与えるべきであったのに、そうした措置が講じられておらず、ガイドラインの「指導指示」「管理監督」要件にも適合しない。したがって「正当な理由」は認められない。 また、翻訳文不提出による取下げ擬制を定める法184条の4第3項は、特許協力条約24条(1)(ⅲ)に基づくものであり、同条約に反しない。同規定及び法184条の5第2項は内外国民を問わず一律に適用されるから、パリ条約2条の内国民待遇の原則に反しない。本件では翻訳文不提出により出願が取下げ擬制された結果、国内書面に係る補正命令を発する余地は元々存在しないから、補正命令なしにされた却下処分は適法である。本判決は、特許法条約(PLT)12条を受けて導入された期間徒過救済制度における「正当な理由」の解釈を、代理人事務所の組織的管理体制にまで踏み込んで示したものとして、実務上の指針となる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。