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下級裁

妨害予防請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ13295
事件名
妨害予防請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年3月14日
裁判官
鈴木謙也波多野紀夫森沙恵子

AI概要

【事案の概要】 原告は、電気通信事業者である被告(ISP事業者)との間でインターネット接続サービス契約(OCN光withフレッツ契約等。以下「本件契約」)を締結している利用者である。平成30年4月、政府の知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議が「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策」を公表し、「漫画村」「Anitube」「Miomio」の3サイトに対しISP事業者による自主的なサイトブロッキング(DNSサーバ側で宛先IPへの変換を無効化して閲覧を遮断する手法)を実施し得る環境整備が進められた。これを受け、被告はNTTグループ各社と共同で、上記3サイトに対し準備が整い次第ブロッキングを実施する旨を発表した。原告は、当該ブロッキングが本件契約上の通信媒介義務に反し、また電気通信事業法4条1項が定める通信の秘密を侵害し憲法21条に基づく人格権ないし人格的利益を害するとして、本件契約ないし人格権に基づく妨害予防請求権を根拠に、別紙URL目録記載のURL宛通信の妨害(ブロッキング)の差止めを求めた。 【争点】 (1)「通信を妨害してはならない」との請求の趣旨が特定されているか(本案前の争点)、(2)本件契約または憲法21条に由来する人格権・人格的利益に基づく差止請求が認められるか、特に差止めの必要性(被告が近い将来ブロッキングを行う蓋然性)があるか。 【判旨】 請求棄却。まず本案前の主張については、請求が本件ブロッキングを行わないことを求めるものであることは明らかであり、差止対象行為は明確であって請求の趣旨は特定されていると判断し、被告の却下申立てを排斥した。本案については、差止めの根拠論に立ち入るまでもなく、差止めの必要性が認められないとした。すなわち、(1)「漫画村」及び「Anitube」は現にアクセス不能であり、「Miomio」もアクセス数が緊急対策決定前に比べて激減していること、(2)被告は訴訟中に本件ブロッキングを行う予定はない旨の準備書面を提出・陳述していること、(3)被告の親会社代表者も記者会見で、現状のままであればブロッキングは行わない旨を明言していること、(4)現時点で本件3サイトへのアクセス可能性やアクセス数が将来増加すると認めるに足りる証拠がないことを指摘した。これらを総合すれば、「サイトが復活すれば政府の考え方に沿って対処したい」との発言があることを踏まえても、被告が今後ブロッキングを行う蓋然性が高いとはいえず、差止請求の必要性要件を欠くと結論付けた。また、訴訟費用について原告は民事訴訟法62条の適用を求めたが、本件訴訟提起がなければブロッキングが予定どおり実施された可能性が高いとはいえないとして、原則どおり敗訴者負担(同法61条)とした。本判決は、海賊版対策としてのDNSブロッキングをめぐり利用者側が提起した差止訴訟について、憲法論・契約論の実体判断に踏み込むことなく、差止めの必要性(侵害の現実的蓋然性)という入口要件で請求を退けたものである。通信の秘密・表現の自由と著作権保護との緊張関係という重要論点を正面から扱ってはいないものの、ISPによる自主的ブロッキングに対し利用者が司法的救済を求めた先駆的事案として実務的意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。