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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成25ワ6653
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2019年3月15日

AI概要

【事案の概要】 本件は、B型肝炎ウィルス(HBV)に持続感染した原告が、幼少期に国が実施した集団予防接種等(種痘、ツベルクリン反応検査、各種予防接種)において注射器の連続使用が行われたためHBVに感染したと主張し、国に対し国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を請求した事案である。原告は、主位的には、平成22年11月8日に受けた脾臓摘出手術(本件手術)により重度の肝硬変を発症したとして3744万円、予備的には、軽度の肝硬変を前提として2600万円の支払を求めた。被告国は、原告がHBVに感染した可能性は認めつつ、症状は「肝硬変(軽度)」にとどまり、かつ遅くとも平成3年4月には肝硬変を発症していたから除斥期間が経過していると主張した。なお、本件は、B型肝炎特別措置法(特措法)に基づく和解協議が不調に終わった後に提起されたものである。 【争点】 争点は主に3点であり、(1)集団予防接種等における注射器連続使用と原告のHBV感染との因果関係の有無、(2)本件手術の時点で原告の症状が特措法施行令7条1項3号ロ所定の「肝硬変(重度)」に該当するか否か、(3)軽度の肝硬変にとどまるとした場合、肝性脳症の発症や本件手術の施術等により新たに「質的に異なる損害」が発生し、民法724条後段の除斥期間の起算点が後ろ倒しとなるか否かである。特に争点(3)では、じん肺に関する最高裁平成6年判決との整合性、および遅発性損害に関する最高裁平成16年・18年判決の射程が問題となった。 【判旨】 大阪地裁は、争点(1)については、原告の母親がHBV非持続感染者であり乳幼児期の輸血歴もないこと等の事情を踏まえ、集団予防接種等における注射器の連続使用によりHBVに持続感染したものと推認できるとして因果関係を肯定した。争点(2)については、Child-Pugh分類(CP分類)の検討により、平成22年6月から11月にかけての各時点のスコアはいずれも10点未満か、90日以上の間隔をおいた2回の診断で10点以上を満たす証拠に乏しいとして、「肝硬変(重度)」該当性を否定し、「肝硬変(軽度)」にとどまると判断した。争点(3)については、肝性脳症の発症、本件手術の施術と脾臓摘出による免疫機能低下、就労制限の強化等は、いずれも肝硬変発症時に予見可能な合併症および症状の進行の範囲内にとどまり、客観的に見て質的に異なる新たな損害が発生したとは評価できないとした。その上で、特措法による病態区分は和解のための区分にすぎず、じん肺法の管理区分のように実体的・手続的要件と多岐にわたる効果が法令上定められたものとは同視できないとして、「軽度」から「重度」または死亡への進展のみを新たな損害とする限定解釈にも与しなかった。結論として、除斥期間の起算点は遅くとも平成3年4月19日の肝硬変発症時であり、平成25年6月28日提起の本訴は除斥期間経過後の提訴に当たるとして、主位的・予備的請求をいずれも棄却した。本判決は、特措法の枠外で国賠法に基づき追加的補償を求める事案において、除斥期間の起算点に関する平成16年・18年最判の射程を限定的に解釈した点に実務的意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。