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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10036
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年3月19日
裁判官
森義之森岡礼子古庄研

AI概要

【事案の概要】 本件は,特許無効審判の不成立審決の取消訴訟である。被告(ジェネンテック社)は,「IL-17産生の阻害」と題する発明について特許権(本件特許)を有しており,その請求項1は,「T細胞によるインターロイキン-17(IL-17)産生を阻害するためのインビボ処理方法において使用するための,インターロイキン-23(IL-23)のアンタゴニストを含む組成物。」というものであった。原告(サン・ファーマ・グローバル社)は,新規性・進歩性の欠如,明確性要件・サポート要件・実施可能要件違反等を理由に無効審判を請求したが,特許庁は不成立審決をしたため,原告がその取消しを求めた。争点は,引用例甲1(国際公開第01/18051号),甲3,甲5等との対比による新規性・進歩性の判断の当否,及び特許法36条所定の記載要件充足性である。 【争点】 第一に,本件特許発明の用途(「T細胞によるIL-17産生を阻害するため」との限定)が,引用例に開示された乾癬等の治療用途と実質的に相違するか。第二に,引用例に接した当業者が,IL-23アンタゴニストをIL-17濃度上昇の見られる患者に選択的に適用する動機付けを有していたか。第三に,請求項の「IL-17産生の阻害」という用途限定が明確性要件を満たし,かつ明細書の開示から当業者が課題解決可能と認識し得るか(サポート要件・実施可能要件)。 【判旨】 知財高裁は,原告の請求を棄却した。まず新規性について,本件特許発明は,IL-23によるT細胞処理がIL-17産生を増加させるとの新知見に基づき,IL-17を標的としてその濃度上昇が見られる患者に選択的に利用する用途を限定するものであり,単なる乾癬治療用途を開示する甲1,3,5の各発明とは用途において明確に相違すると判断した。次に進歩性について,本件優先日当時,当業者がIL-23アンタゴニストによりT細胞によるIL-17産生が阻害可能であると認識していたとは認められないから,引用例に接した当業者において,当該抗体をIL-17濃度上昇の見られる患者に選択的に利用する動機付けはなかったとし,本件特許発明の容易想到性を否定した。さらに明確性要件については,「IL-17産生を阻害するための」との用途限定により,医薬品として利用する場合にIL-17濃度上昇の見られる患者に選択的に利用されるものと一義的に理解できると判示し,サポート要件及び実施可能要件についても,明細書の実施例からIL-23アンタゴニストによるT細胞のIL-17産生阻害が開示されており課題解決が認識可能であるとして,いずれの要件違反も認めなかった。本判決は,医薬用途発明における作用機序を捉えた用途限定の独立性を肯定し,公知の治療用途との峻別を認めた事例として,医薬特許の実務上意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。