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知財

損害賠償等請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30ネ10060
事件名
損害賠償等請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年3月20日
裁判官
鶴岡稔彦高橋彩間明宏充
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 スマートフォンのタッチパネル入力に関する特許第5935081号(発明の名称「入力制御方法,コンピュータ,および,プログラム」)を有する控訴人(株式会社JUICE DESIGN)が、被控訴人Apple Japan合同会社によるiPhone(iPhone 6s から iPhone Xs Max までの9機種)の輸入・販売が本件特許権を侵害すると主張し、特許法102条3項に基づく損害賠償金(一部請求5400万円)、特許法65条1項に基づく補償金(一部請求5400万円)、弁護士費用2160万円の合計1億2960万円の支払を求めた事案の控訴審である。 本件発明は、表示画面への接触操作において力入力(押し込み)を伴うか否かで異なる処理を行う情報処理装置に関するもので、控訴人はiPhoneの「3D Touch」機能(アイコンを強く押すとアイコン以外がデフォーカス状態に変化する動作等)が本件発明の技術的範囲に属すると主張した。原審(東京地裁)は、本件特許には乙8文献に基づく新規性欠如の無効理由があるとして請求を棄却した。控訴人は原審口頭弁論終結後に訂正審判を請求し、訂正認容審決が確定したうえで控訴した。 【争点】 争点は、被告各製品が本件発明の構成要件、とりわけ構成要件F(「当該変更結果を当該表示対象に対する入力として記憶部に記憶させる変更手段」)を充足するか、また構成要件Hを充足するか、さらに乙8文献・乙10文献に基づく新規性欠如の無効理由の有無である。裁判所は事案に鑑み、まず構成要件Fの充足性から判断した。 【判旨】 控訴棄却。裁判所は、構成要件Fの「入力」の意義が特許請求の範囲の記載からは一義的に定まらないと指摘した。本件明細書では「入力」の語が、段落【0008】のように「物理的な力を加えること」を指す場合と、段落【0012】のように「コンピュータに情報を与えること」を指す場合とで、文脈により異なる意味で用いられている。構成要件H・A・Dでは「力入力」と明示されているのに対し、構成要件Fでは敢えて「入力」と表記されていることからしても、控訴人主張のように「力入力」と解するのは整合しない。また「入力として…記憶させる」との文言構造に照らせば、「物理的な力を加えること」と解する余地は乏しい。 仮に本件訂正審決に従って「コンピュータに情報を与えること」と解したとしても、「当該表示対象」が具体的に何を指すのか(表示されるアイコン画像データか、それと紐づく実体アプリケーションか等)、「相対的に変更させた結果」がどのような情報を含むのかが本件明細書上特定されておらず、依然として構成要件Fの意義は不明確である。結局、構成要件Fの意義が不明確である以上、被告各製品が構成要件Fを充足すると認めることはできず、その余の構成要件を判断するまでもなく、被告各製品は本件発明の技術的範囲に属さない。 本判決は、スマートフォンの感圧タッチ機能をめぐる特許侵害訴訟において、クレーム文言の意義が不明確な場合に侵害認定が否定されることを示したものであり、クレーム作成におけるタームの一貫した用法の重要性を浮き彫りにした裁判例として実務上意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。