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知財

特許権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ26468
事件名
特許権侵害差止等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年3月20日

AI概要

【事案の概要】 本件は、建築構造用部材の製造販売を業とする原告(センクシア株式会社)が、被告(コーリョー建販株式会社)に対し、被告が製造販売する鉄骨梁開口部補強用の「ダイヤリング」と称するリング状金具(被告各製品)が原告の保有する特許権(名称「梁補強金具およびこれを用いた梁貫通孔補強構造」、特許第3909365号)を侵害すると主張し、特許法100条に基づく被告各製品の製造・譲渡等の差止め及び廃棄並びに民法709条・特許法102条2項に基づく損害賠償を求めた事案である。本件特許は、H形鋼梁のウェブ部に開けられた配管用貫通孔の周縁に溶接固定することで梁強度を補強するリング状金具に関するもので、軸方向長さと肉厚の比率に加え、貫通孔より大径の「フランジ部」を外周部の片面側に形成する点を特徴とする。被告は特許無効審判を請求したため、原告は請求項の訂正請求を行い、特許庁が訂正を認めた上で無効審判請求を不成立とする審決をした(審決取消訴訟が知財高裁に係属中)。 【争点】 第一に、被告各製品が構成要件1-A(貫通孔周縁部に外周部が溶接固定されるリング状梁補強金具)を充足するか、特に「外周部」と「フランジ部」が別個独立の部位かどうかの解釈である。被告は、両者は別の部位であって、被告各製品は「フランジ部」のみを梁ウェブに溶接しており外周部は溶接されていないから非充足であると主張した。第二に、乙19文献(鉄骨梁貫通孔構造)や乙3文献(スリーブ管補強論文)に基づく新規性・進歩性欠如による無効事由の有無、及び本件訂正による無効理由解消の可否である。第三に、損害額の算定と特許法102条2項の推定覆滅事由の存否である。 【判旨】 東京地裁は、本件明細書の記載及び「外周」の一般的意義(ものの外側に沿ったまわりの部分)からすれば、本件各発明における「外周部」は「フランジ部」の外周を含むリング状金具の外側全体を指すものと解すべきであり、「フランジ部」は「外周部」と別個独立の部位ではなくその一部を構成するものと認定した。これにより、被告各製品のつば状出っ張り部を梁に溶接する態様も、梁補強金具の「外周部」が貫通孔「周縁部」に溶接固定されているものと評価され、構成要件1-Aを充足すると判断した。無効事由については、乙19文献や乙3文献には本件各発明の中核的構成である片面側フランジ部の形成に係る示唆がないなどとして、本件訂正後の発明は新規性・進歩性を有し、無効審判により無効とされるべきものではないとした。損害額は特許法102条2項により被告の限界利益142万0314円を推定損害額と認め、被告主張の覆滅事由(特徴部分が限定的、需要者への訴求なしなど)は、フランジ部が金具全体と一体の発明を構成し被告の施工性アップも本件発明の構成に由来することから認めなかった。弁護士費用14万2031円を加算し、差止め・廃棄請求を全部認容、損害賠償は合計156万2345円の限度で認容した。本判決は、特許請求の範囲の文言解釈において明細書全体の趣旨と用語の一般的意義を重視する判断手法を示し、また製品の特徴部分のみを抽出して推定覆滅割合を算定することを否定した点で、特許権侵害訴訟における損害論の実務に示唆を与えるものである。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。