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下級裁

第三者供賄,贈賄

判決データ

事件番号
平成29わ822
事件名
第三者供賄,贈賄
裁判所
名古屋地方裁判所
裁判年月日
2019年3月20日

AI概要

【事案の概要】 本件は、愛知県瀬戸市所在の公立病院組合が設置する公立病院において、参事兼呼吸器・アレルギー疾患内科部長兼リハビリテーション科部長の職にあり、担当科の治験(医薬品の臨床試験)を統括する治験責任医師として治験協力者の選定等の職務に従事していた医師被告人Aと、医療機関における治験補助業務を目的とする株式会社甲を実質的に経営する被告人Bとの間で、治験補助業務の受注をめぐって行われた第三者供賄・贈賄の事案である。被告人Aは、平成26年10月31日から同年12月8日までの間に3回にわたり、被告人Bから、従前乙社が受注していた自己所管の治験補助業務を、新設される甲社等が継続的に受注できるよう有利便宜な取り計らいを受けたい旨の請託を受けた上、その報酬として、稼働実態のない自己の義理の娘D名義の預金口座に、平成27年3月25日から同年9月25日までの間7回にわたり、給与名目で合計94万9127円を振り込ませ、第三者に賄賂を供与させた。被告人Bは右請託に基づき同金員を振込入金して被告人Aの職務に関し賄賂を供与した。 【争点】 争点は、(1)被告人Bによる請託があったと認められるか、(2)Dへの振込入金が被告人Aの職務行為の対価すなわち賄賂であり、被告人両名にその認識があったかの2点である。弁護側は、被告人Bによる面会は儀礼的挨拶にすぎず請託に当たらない、振込入金は育児休業給付金の延長が認められなかったことに対する損害賠償ないし損失補償の趣旨であったなどと主張した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、関係者の供述は客観的経緯に照らし自然かつ合理的で信用できるとして、被告人Aが、SMO選定に関する実質的な職務権限を有する立場において、被告人Bから治験補助業務を丁社又は甲社に移管し継続的に受注させるよう手続を採る職務行為の依頼を受け承諾したものであり、これは単なる儀礼的挨拶にとどまらず請託に該当すると認定した。また、被告人Bが育児休業給付金延長不承認について被告人Aから問い合わせを受けるや、事実関係を調査することもなく直ちに稼働実態のないDへの給与名目の支払を決定したという迅速な対応、甲社にとってC病院との関係維持が経営上極めて重要であった状況、被告人Aが甲社内部の組織体制にまで強い影響力を行使していた事情等を総合すれば、本件振込入金は甲社が被告人A所管の治験補助業務を独占的に受注する関係を維持する目的で行われたものであり、請託に係る職務行為との対価性を有する賄賂に当たると認定し、被告人両名にその認識もあったとした。安易な癒着を背景とした本件は公務員の職務の公正及び社会の信頼を害する悪質な犯行であり、殊に自身の地位を笠に着た被告人Aの犯情は悪いとしつつ、否認ないし黙秘を続け反省がない一方で前科がないこと等を考慮し、被告人Aを懲役2年、被告人Bを懲役1年に処した上、いずれも3年間刑の執行を猶予した。本判決は、公立病院の治験責任医師が特別地方公共団体の公務員として第三者供賄罪の主体となることを前提に、SMO選定権限をめぐる便宜供与の依頼を請託と評価し、稼働実態のない親族への給与支払を第三者への賄賂供与と認めた事例として、産学連携・治験実務における職務倫理の限界を示す先例的意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。