都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3147 件の口コミ
知財

特許取消決定取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10032
事件名
特許取消決定取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年3月26日
裁判官
大鷹一郎山門優筈井卓矢

AI概要

【事案の概要】 原告(フランス法人ヘクセル・ランフォルセマン)は、「直接法による複合材料部品の製造のための一定の幅を有する新規の中間材」とする発明について特許第5854504号の設定登録を受けた。これは、炭素繊維等の強化ストランドから成るリボンの両面に不織布等を接着して幅の揃った中間材を製造する方法等に関する発明であり、航空機・自動車向け複合材料の成形(RTM法等)に用いられる技術である。 本件特許に対し第三者から異議申立てがされ、原告は請求項の減縮等を内容とする訂正請求(本件訂正)を行った。しかし特許庁は、訂正事項2ないし4、20、23及び24(「複数のストランド又は長繊維間に間隔が存在しない」、「1超から10の圧縮比」、「不織布又は布材料の総重量が中間材の総重量の(6/132)×100%未満」といった限定を加える訂正)について、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内でなされたものではなく新規事項の追加に当たり、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合しないとして本件訂正を認めず、その結果、本件特許を取り消す旨の決定をした。原告は同決定の取消しを求めて本訴を提起した。 【争点】 本件訂正の各訂正事項が、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものか(訂正要件適合性)、及び進歩性・サポート要件・明確性要件・原文新規事項の各判断の当否である。 【判旨】 知財高裁(第4部・大鷹一郎裁判長)は、取消事由1(訂正要件の判断の誤り)について、訂正事項2ないし4はいずれも本件明細書の記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものとはいえず、また訂正事項20、23及び24は訂正事項2、3又は4と重複するものであるから、同様に新規事項の追加に当たらないと判断した。特に、請求項1に追加された「不織布又は布材料の総重量(1m²あたり)が中間材の総重量の(6/132)×100%未満」との数値範囲(事項C)についても、本件明細書の実施例(段落【0062】)の記載から当業者が理解可能な事項であり、圧縮後の不織布の面密度が明示されていないことや切断除去部分の重量が示されていないことをもって新規事項該当性を肯定する根拠とはならないとした。 そのうえで、本件訂正を認めなかった本件決定の判断は誤りであり、この誤りは発明の要旨認定を誤らせ本件決定の結論に影響を及ぼすことが明らかであるから、その余の取消事由について判断するまでもなく本件決定は取り消されるべきであるとして、特許庁の取消決定を取り消した。 本判決は、訂正要件における新規事項該当性判断にあたり、明細書に明示的な記載がなくとも実施例の数値や技術的文脈から当業者が当然に理解できる事項は「明細書のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項」に含まれるとする実務上の運用を確認したものであり、数値限定を含む訂正の可否を巡る実務に参考となる事例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。