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知財

特許取消決定取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10109
事件名
特許取消決定取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年3月26日
裁判官
森義之佐野信熊谷大輔

AI概要

【事案の概要】 本件は、特許異議の申立てを認めて特許を取り消した特許庁の決定(本件決定)に対する取消訴訟である。原告は「ゲーム制御方法、サーバ装置及びプログラム」と題する発明(本件発明。請求項1~8)について特許権(第6043844号)を有していたところ、第三者からの特許異議申立てを受け、特許庁は、本件発明はスマートフォン用ソーシャルゲームに関する先行文献(引用文献1)に記載された引用発明1と同一であり、又は引用発明1等に基づき当業者が容易に発明できたとして、本件特許を取り消す旨の決定をした。本件発明は、ギルド同士の対戦ゲームにおいて、対戦時間を複数の期間に分割し、隣接する期間ごとに異なる対戦条件を設定することで、前半戦の参加率低下等の課題を解決することを特徴とする。原告は、本件決定には引用発明の認定誤り及び相違点の認定誤りがあると主張して、その取消しを求めた。 【争点】 争点は、本件発明1と引用発明1との間の新規性・進歩性の有無、特に、引用発明1における「バトルで勝利した回数に応じて回復薬や海原ドリンク等の異なる報酬が、条件を達成したバトル後に付与されること」が、本件発明1の「互いに隣接する期間における対戦条件が異なるように、各期間の開始前に対戦条件を設定する」との構成(本件構成①)を具備するか否かである。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、本件決定を取り消した。裁判所は、本件発明1の「対戦条件」とは、ゲーム参加者一般に向けられた一般的条件を意味し、個々のプレイヤを特定して設定する条件は含まないと解した。本件発明は前半戦の参加率向上という課題解決のため、期間ごとに対戦条件を変えることを本質とするからである。これを前提とすると、引用発明1における「勝利回数に応じた報酬付与」は、各期間を通じて同一のルールであって最小単位期間ごとに変化するものではなく、本件構成①を具備しない。被告は、プレイヤの累積勝利数により各試合で付与される具体的報酬が異なるから相違点を欠くと主張したが、これは個々のプレイヤを特定した対戦条件であって本件発明1の対戦条件には含まれないとして斥けた。また、甲4文献記載の引用発明4もイベントボーナスが日又は週単位で変更されるにとどまり本件構成①を欠くため、引用発明1との組合せによっても本件発明1に到達しない。よって、本件発明1~8には新規性及び進歩性があり、これらを否定した本件決定は違法であるとした。 本判決は、クレーム解釈に当たり明細書記載の発明の目的・課題を踏まえて「対戦条件」の意義を画定した点に特徴があり、ソーシャルゲーム分野におけるソフトウェア関連発明の新規性・進歩性判断の実務的指針として意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。