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下級裁

(事件名なし)

判決データ

事件番号
平成30ネ558
事件名
(事件名なし)
裁判所
福岡高等裁判所
裁判年月日
2019年3月27日
裁判官
須田啓之野々垣隆樹小松芳
原審裁判所
福岡地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、福岡市立中学校の特別支援学級(情緒学級)に在籍していた原告(控訴人)が、在学中に学習権を侵害されるなどの被害を受けたとして、同校を設置する市(被控訴人)に対し、国家賠償法1条1項に基づき合計440万円の損害賠償を求めた事案である。原告の主張は、(1)校長や担任らが適切な指導計画を作成せず、これに基づく授業を実践しなかったことで学習権を侵害した、(2)嘱託員から暴行を受けた、(3)担任教諭から暴行・脅迫・名誉毀損を受けた、という3点に整理される。原告はADHDや特定不能の広汎性発達障害の診断を受けていたが、知的障害は認められていなかった。原審は請求を全部棄却したため、原告が控訴した。 【争点】 第一の争点は、特別支援学級における教育内容の決定・実施に関する教師の裁量権の逸脱濫用の有無である。特に、知的障害のない原告に対して知的障害者用の指導形態を取り入れたことや、英語の授業をほぼ実施しなかったことの違法性が問われた。第二の争点は、担任教諭が原告を膝の上に仰向けに乗せた行為や、車両損傷を巡る一連の発言が不法行為に当たるか、である。 【判旨】 福岡高裁は、原判決を変更し、一部認容した。まず教育内容に関する判断枠組みとして、特別支援学級における教育課程の編成には一定の裁量が認められるが、中学校学習指導要領及び特別支援学校学習指導要領の趣旨に照らし、明らかに不合理で子の利益を著しく損なう場合には裁量権の逸脱濫用となる、とした。指導要録・個別指導計画等の作成は準備的行為にすぎず、それ自体が独立の不法行為を構成するものではなく、実際に実施された教育を基準に判断すべきとした。その上で、特別支援学校学習指導要領上、外国語科を設けないことが許されるのは知的障害を有する生徒等に限られるところ、知的障害のない原告に対しa教諭が1年次を通じて英語をほぼ実施しなかった点は裁量を逸脱し違法であると認定した。他方、他教科で補助教材や下学年用プリントを用いた点は、原告の学習状況や意欲を踏まえた合理的判断であり違法とまではいえないとした。次に、d教諭が原告を膝の上に仰向けに乗せた行為については、教育的指導の範囲を逸脱した不法行為に当たると認めた。また、卒業後の車両損傷を巡る場面で原告を犯人と決めつけ「バカじゃないの」「気持ちが悪い」などと述べた発言も、教育的指導の範囲を逸脱し名誉感情を害するものとして違法とした。一方、嘱託員による暴行や引き戸開閉行為、脅迫の主張等は証拠不十分として斥けた。損害額は、英語不実施につき慰謝料30万円・弁護士費用3万円、d教諭の不法行為につき慰謝料20万円・弁護士費用2万円の合計55万円を認容した。本判決は、特別支援学級における外国語科実施義務や教師の懲戒的有形力・言動の限界を具体的に示した事例として、インクルーシブ教育の実務に示唆を与えるものである。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。