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下級裁

過失運転致死傷

判決データ

事件番号
平成29わ189
事件名
過失運転致死傷
裁判所
福岡地方裁判所
裁判年月日
2019年3月27日

AI概要

【事案の概要】 被告人は、平成28年12月3日午後5時頃、福岡市内において普通乗用自動車(ハイブリッド車)を発進させ、前方数メートルで停止させようとした際、ブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えたまま加速を続け、時速約86キロメートルで病院東館テラスおよび館内ラウンジに突入。被害者3名を死亡させ、7名に重軽傷(うち1名は重篤な後遺障害)を負わせた過失運転致死傷事件である。被告人は職業運転手であり、走行開始地点から事故現場まで約280メートルにわたり車両を加速走行させていた。弁護人は、被告人に過失はなく、車両側のコンピューター(パワーマネージメントコントロールコンピューター)の誤作動による急加速、およびブレーキ部品Oリングの摩耗に起因する「固着現象」によりブレーキが踏み込めなかったと主張して、無罪を求めた。 【争点】 争点は、(1)本件車両のエアバッグコンピューター(EDR)の記録情報の正確性、(2)駆動系コンピューターの誤作動による急加速の可能性、(3)ハイドロブースター内Oリングの摩耗によりブレーキが効かなくなる「固着現象」の有無、これらを踏まえた被告人の過失の有無である。 【判旨(量刑)】 裁判所は、EDRの記録について、科学警察研究所および福岡県科学捜査研究所の解析結果に信用性阻害事情はなく、防犯カメラ映像から算出した速度とも一致することから、その正確性を肯定した。また、車両のハイブリッド制御は複数のコンピューターが相互監視する構造で、いずれかに異常が生じれば高速走行ができない仕組みであり、事故後の検証でも駆動系に異常がなかったことから、誤作動による急加速の主張を排斥した。Oリングの固着現象についても、検証の結果、制動力は道路運送車両法の保安基準に適合しており、摺動を妨げる異常は認められないとして主張を退けた。そのうえで、被告人がドアを開けたまま発進させ、ペダルを目視確認せずかかとを接地させない踏み方をしていた点を踏まえ、ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み込んだ過失を認定した。 量刑については、3名の尊い生命が失われ、7名が重軽傷を負った結果の重大性、何ら落ち度のない被害者が病院内で家族を残して落命した無念、遺族の深い悲しみを重視。約280メートルにわたる加速走行の危険性、ドアを開けたままの発進やペダル未確認など結果回避可能性が十分にあったこと、職業運転手としての慎重さに欠ける運転行為であった点から、過失運転致死傷の中でも特に重い事案と評価した。他方、任意保険による相応の賠償、前科なしなどの一般情状を考慮し、求刑禁錮7年に対し、被告人を禁錮5年6月に処した。本件は、高齢化社会において社会問題化しているペダル踏み間違い事故につき、車両側不具合の主張を科学的証拠に基づき詳細に検討したうえで運転者の過失を認定した実務的意義のある判断である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。