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意匠権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ5011
事件名
意匠権侵害差止等請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2019年3月28日

AI概要

【事案の概要】 爪切りの意匠権を有し、ネイルケア製品を製造販売する原告が、競合業者である被告に対し、三つの請求を併合して提起した事案である。すなわち、(1)被告が中国から輸入しドン・キホーテに卸していた被告製品1が原告の本件登録意匠(部分意匠、操作レバー部とカバー部)の効力範囲に属するとして、意匠法37条に基づく差止め・廃棄及び損害賠償、(2)被告製品2の形態が原告製品の商品形態を模倣しており不正競争防止法2条1項1号に該当するとして差止め等、(3)被告製品1ないし3のパッケージに付された「日本仕上げ」との表示が原産地又は品質等を誤認させるもので同項14号に該当するとして、表示の差止め・包装の廃棄及び損害賠償を、それぞれ求めた。意匠権侵害及び1号該当性自体は争いがなく、争点は主として14号該当性と損害額の算定にあった。 【争点】 第一に、「日本仕上げ」との表示が被告各製品の原産地又は品質等について需要者を誤認させる表示に該当するかである。原告は、同表示により需要者が日本製と認識する、あるいは最終製造工程が日本で行われていると認識すると主張したのに対し、被告は、「仕上げ」は一通りの仕事を終えた後の最終的な微調整を示す語にすぎず、パッケージ底面に「Made in China」と明記されているから誤認は生じない、かつ日本国内で検品・研磨等の作業を実施している、などと反論した。第二に、意匠法39条2項及び不正競争防止法5条2項に基づく損害額の推定、推定覆滅事由及び寄与度の評価が争われた。 【判旨】 裁判所は、原告の請求を一部認容した。 まず原産地誤認については、「日本仕上げ」の語感は一通りの製造工程を外国で終えた後に日本で最終段階の作業を行ったとの認識を需要者に生じさせるにとどまり、かつ底面に「Made in China」の明示があることから、原産地を日本と誤認させる表示には当たらないとした。もっとも品質等誤認については、14号の「品質」には品質を直接・間接に左右する事実も含まれると解したうえで、日本で仕上げが行われたとの認識は切れ味や操作性といった品質の向上を推認させる事実であると判示した。そして、被告の主張する日本国内での各種作業は、客観的裏付けを欠くか、あるいは「仕上げ」と評価し得ないものにとどまるから、本件表示は品質・内容・製造方法を誤認させる表示に該当すると認定した。 損害論については、意匠法39条2項及び不正競争防止法5条2項の適用要件を厳格に解すべき理由はなく、需要者・販路の共通性が認められる以上適用されると判断した。そのうえで、被告製品1の意匠権侵害分については、本件登録意匠が「バッタのようにも見える有機的形態」という特徴的美感を有すること等を考慮し、部分意匠たる寄与割合を7割、さらにドン・キホーテという低価格帯での販売状況等を踏まえた推定覆滅率を6割として、利益額の28%を損害と認定した。被告製品2の1号関係では推定覆滅を認めず利益額の全額を、被告製品1・3の14号関係では競合品の存在等を踏まえ推定覆滅率を9割として利益額の1割を、それぞれ損害額とした。これらに弁護士費用を加え、損害合計76万1265円の賠償及び被告製品1・2と本件表示付包装の廃棄等を命じた。 本判決は、「日本仕上げ」のようなハイブリッド表示につき、原産地表示該当性を否定しつつも品質等誤認表示該当性を肯定した点、部分意匠につき意匠法39条2項の寄与度を顧客吸引力の観点から判断した点、さらに14号該当行為への同法5条2項適用に際し、一般市場でのシェアが小さくとも同一小売店内での限定的競合関係があれば逸失利益の発生を認め得るとした点で、実務上の参考価値を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。