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下級裁

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30ネ203
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
広島高等裁判所
裁判年月日
2019年3月28日
裁判種別・結果
その他
裁判官
森一岳鈴木雄輔沖本尚紀
原審裁判所
広島地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、国選弁護人である控訴人(弁護士)が、平成25年10月10日、広島拘置所に勾留されていた被告人と面会室で接見した際、ノートパソコンで刑事事件の証拠として採用されたDVD(音声データ)を再生しながら打合せをしたところ、拘置所職員から違法な介入を受けて接見交通権を侵害されたと主張し、国(被控訴人)に対し、国家賠償法1条1項に基づき慰謝料120万円・弁護士費用24万円合計144万円の支払を求めた事案である。 介入行為は二つある。第一に、B副看守長が、ビデオテープ等を再生しながら接見する弁護人に対しその内容等を申告させる本件通知(法務省矯正局成人矯正課長通知)に基づき、証拠物か否か・録画機能の有無等を記載する「申告書」への記入を求めた行為。第二に、C統括が面会室の扉を開けて音声再生の中断を求め、控訴人が「裁判資料である」「証拠だよ」と説明した後も、なお中断を求め続けた行為である。原審は請求を棄却し、控訴人が控訴した。 【争点】 1. 接見時に持ち込まれたパソコン・DVD等の電磁的記録を再生しながらの打合せが、刑訴法39条1項の保障する秘密交通権に含まれるか。 2. 申告書への記入を求める行為が秘密交通権を侵害し違憲・違法か、またB副看守長に過失があるか。 3. 音声が本件被告事件の証拠であると明らかになった後もなお再生中断を求めたC統括の行為が、刑事収容施設法117条・113条1項1号ロの「刑事施設の規律及び秩序を害する行為」に対する制止として適法か。 【判旨】 広島高裁は原判決を変更し、国に対し22万円及び遅延損害金の支払を命じた。 まず、憲法34条・刑訴法39条1項が保障する接見交通権・秘密交通権は、身体拘束を受けた被告人等が弁護人から実質的・効果的援助を受けるために、接見内容の秘密を第三者に知られないことを含めて保障するものであり、証拠資料が電磁的記録として保存されている場合、これを再生機器とともに持ち込み再生しながら打ち合わせる行為も秘密交通権の保障対象に含まれると判示した。 その上で、本件申告書のうち「証拠物か否か・その内容の簡記」を求める項目1は、秘密交通権で保護される秘密の一部の開示を強制するに等しく、未決拘禁目的や施設秩序維持を確保する実効性に乏しい反面、弁護人に与える不利益が著しく大きく、均衡を欠く不合理な制約として憲法34条前段・刑訴法39条1項に違反するとした。もっとも、B副看守長には本件通知に依拠した対応が違憲・違法であると予見すべきであったとはいえず、過失は否定された。 他方、C統括の行為については、接見の場での行為を「規律・秩序を害する行為」として制止できるのは、施設内の規律秩序維持上放置できない障害発生の相当の蓋然性が認められる場合に限られると解したうえで、控訴人が「裁判資料」「証拠」と告げた時点で、再生中の音声が本件被告事件の証拠データであることが明らかとなり、蓋然性は失われたにもかかわらず、なお中断を求め続けた行為は違法な接見交通権侵害であり、面会を担当した経歴のあるC統括には予見可能性が認められ過失もあるとした。損害は慰謝料20万円・弁護士費用2万円の計22万円と認定された。 本判決は、電磁的記録を再生しながらの接見が秘密交通権の保障対象に含まれることを正面から肯定し、拘置所による事前申告義務付けのうち内容開示に踏み込む部分を違憲と明言した点で、弁護実務上重要な意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。