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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成24ワ4255
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2019年3月29日
裁判官
大須賀寛之中武由紀中村公大

AI概要

【事案の概要】 本件は、「茶のしずく石鹸」と称する薬用洗顔石鹸を使用した消費者20名が、同石鹸の原材料として配合されていた加水分解コムギ末「グルパール19S」により経皮・経粘膜的に感作を生じ、その後、小麦を経口摂取した際に小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA)を発症したとして、同石鹸を販売した被告悠香、製造した被告フェニックス、原材料であるグルパール19Sを製造販売した被告片山化学の3社に対し、製造物責任法3条に基づき損害賠償を求めた事案である。本件石鹸は通信販売で爆発的ヒットとなり、回収までに延べ466万人余に約4650万個が販売されており、多数の健康被害が社会問題化した。 【争点】 第一に、本件石鹸に販売元として表示されていた被告悠香が、製造物責任法2条3項所定の「製造業者等」(特に同項3号の実質的製造業者)に該当するか。第二に、本件石鹸およびその原材料グルパール19Sに、通常有すべき安全性を欠く「欠陥」が認められるか。第三に、製造物引渡し当時の科学技術的知見によれば欠陥を認識できなかったとする開発危険の抗弁(同法4条1号)が成立するか、が主要な争点となった。 【判旨】 大阪地裁は、原告らの請求を一部認容した。まず、被告悠香について、外装上のロゴ表示やブランド戦略、開発・製造への関与、独占的な一手販売の実態を総合し、社会通念上実質的な製造業者と認められる表示を行った実質的製造業者(同法2条3項3号)に該当すると判断した。次に、欠陥の有無については、本件アレルギーが化粧品で通常想定される軽微な皮膚障害の範囲を大きく超える重篤かつ全身性のアナフィラキシー症状を引き起こすこと、本件石鹸の効用は洗顔用石鹸の域を出ず消費者が重大な健康被害のリスクを許容していたとはいえないこと、グルパール19Sを他成分に差し替える代替設計が引渡し当時も客観的に可能であったことを総合し、本件石鹸およびグルパール19Sはいずれも通常有すべき安全性を欠く設計上の欠陥を有したと認定した。開発危険の抗弁については、本件石鹸引渡し当時、海外症例報告等により加水分解コムギの経皮感作によるWDEIA発症の可能性は世界最高水準の知見をもって認識可能であったとして、これを排斥した。その上で、本件アレルギーは根治療法がなく食事制限等の生活制限を長期にわたり強いる点で原告らに共通・類似の損害を生じさせるとして、共通損害を基礎額とし、ショック症状の有無等を加算事由とする包括一律請求方式による算定を認め、被告3社に連帯支払を命じた。本判決は、健康食品・化粧品に共通原料を供給するサプライヤーを含めたサプライチェーン全体に製造物責任が及ぶことを示し、加水分解コムギによる経皮感作型食物アレルギーという新たな被害類型に対する欠陥認定と開発危険の抗弁の限界を明らかにした重要な先例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。