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発信者情報開示請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ38052
事件名
発信者情報開示請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年4月10日

AI概要

【事案の概要】 本件は、宗教法人である原告(創価学会)が、経由プロバイダである被告エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社及び被告ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社に対し、氏名不詳の発信者らが、インターネット上のレンタル掲示板「teacup.」に原告の著作権に係る写真(原告の名誉会長とその夫人が会員を激励する様子を撮影した本件写真1、及び会議でスピーチする名誉会長を撮影した本件写真2)を無断で掲載し、原告の公衆送信権(送信可能化権)を侵害したことが明らかであると主張して、プロバイダ責任制限法4条1項に基づき、発信者の氏名・住所・電子メールアドレス等の発信者情報の開示を求めた事案である。本件各写真は、原告が雇用する聖教新聞社の職員が勤務時間中に業務として撮影し、聖教新聞等に原告名義で公表されたものであった。被告エヌ・ティ・ティは、本件記事1の写真が別投稿者「say say say」の記事に依拠したものであって本件写真1に依拠していない、仮に複製であっても引用(著作権法32条1項)として適法である可能性があるなどと争い、被告ソニーネットワークは、原告の著作権者性の立証が不十分であること、損害賠償請求には氏名・住所のみで足り電子メールアドレス開示は不要であることを主張した。 【争点】 主要な争点は、(1)原告が本件各写真の著作権者であるか、(2)本件記事1の写真が本件写真1に依拠したものであるか(依拠性)、(3)本件記事1における本件写真1の掲載が著作権法32条1項の「引用」として適法であるか、(4)電子メールアドレスを含む発信者情報開示を受けるべき正当な理由があるか、である。 【判旨】 裁判所は、原告の聖教新聞社職員であったA及びDが業務として本件各写真を撮影し、原告名義で公表されたこと、原告の就業規則には職員が職務上作成した著作物の著作権は法人に帰属する旨の規定があることから、本件各写真は職務著作(著作権法15条1項)として原告が著作権を有すると認めた。依拠性については、「say say say」投稿者の記事が本件写真1と実質的に同一の写真を掲載していたことから、本件発信者1が同記事を介して本件写真1に依拠したと評価できるとした。引用の成否については、本件記事1が本件写真1の不自然さを指摘し批評する内容を含むとしても、掲載された写真が独立して鑑賞の対象となり得る大きさであり、批評のために本件写真1そのものを引用する必要性が高いとはいえず、出所も表示されていないことから、引用の方法・態様が社会通念上合理的な範囲内とはいえず、公正な慣行にも合致しないと判断した。電子メールアドレスについては、プロバイダ責任制限法4条1項の総務省令で発信者特定に資する情報として規定されており、転居等により登録住所と実際の住所が異なる可能性もあることから、その開示は不要とはいえないとした。以上より、原告の著作権(送信可能化権)侵害が明白であり、損害賠償請求権行使のため発信者情報開示を受ける正当な理由があるとして、原告の請求をいずれも認容した。本判決は、職務著作の要件認定、間接的依拠性の評価、インターネット上の批評目的引用における必要性・出所明示の厳格な判断枠組みを示すとともに、発信者特定における電子メールアドレス開示の必要性を肯定した実務上意義のある判断である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。