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下級裁

信書発受禁止処分取消等請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成29行コ246
事件名
信書発受禁止処分取消等請求控訴事件
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2019年4月10日
裁判種別・結果
その他
裁判官
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 甲府刑務所に収容されていた原告Aは、府中刑務所で特別改善指導の性犯罪再犯防止指導(高密度)を共に受講した受刑者Dと平成27年5月に養子縁組を届出し、同年6月、養子縁組に基づく親族としてD宛ての信書の発信を申請した。しかし、甲府刑務所長は、本件養子縁組が民法が本来想定する扶養・相続等の良好な親族関係を維持する目的ではなく、専ら刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(刑事収容法)の外部交通制限を潜脱する目的で行われたと認定し、信書の発信を禁止する決定をした。原告A、並びにDの実父母である原告B及び原告C(Dは訴訟係属中に死亡し、原告Aが養親、原告B・Cが実親としてそれぞれ相続)は、刑事収容法128条が親族間の信書発受は禁止できないと定めているのに本件決定がこれに反するとして、国家賠償法1条1項に基づき慰謝料等の支払を求めた。原審は訴えを一部却下・一部棄却したため、原告らが控訴した。 【争点】 第一に、原告AとDとの養子縁組が有効か(両名が同性愛関係にあり、縁組意思があったといえるか、また同性愛関係にある者の間で親子関係を形成しようとする意思が民法上の縁組意思に当たるか)。第二に、本件養子縁組が専ら信書発受禁止の潜脱目的でなされたとして刑事収容法の親族規定の適用を否定できるか。第三に、甲府刑務所長の認定に注意義務違反があるか、及び損害の範囲である。 【判旨】 東京高裁は、原告AとDが府中刑務所における6か月余りの共同受講を通じて同性愛関係となり、相互に助け合って共に生活しようという意思を持って養子縁組を行ったと認定した。そのうえで、成年同士の養子縁組では典型的親子関係と異なる多様な動機・目的が想定され得るのであり、縁組意思は「社会通念上親子と認められる関係を形成しようとする意思」と解されるところ、扶養・相続等の法的効果や同居・精神的支援等の社会的効果の中核的部分を享受しようとしている場合には縁組意思を肯定すべきであると判示した。そして、同性愛関係の継続という動機・目的が併存していても、それ自体は不適法ではなく、養子の氏変更のみを目的とする縁組や重婚的内縁関係継続を目的とする縁組とは異なり、縁組意思を否定する理由にはならないとした。また、両名が信書発受の自由化を意識していたことは認められるものの、同性愛関係と共同生活の意思を有していればそれを欲するのも自然であって、専ら潜脱目的であったとは認められないとした。その結果、Dは刑事収容法128条の「親族」に該当し、本件決定は違法であると結論付け、甲府刑務所長の認定には合理性も相当性もなく職務上の注意義務違反があったとして、原判決を取り消し、原告Aに4万円、原告B及びCに各1万円(D本人分3万円に加え原告A分3万円の相続・承継分を含む内訳)の慰謝料及び遅延損害金の支払を命じた。本判決は、同性カップルが法律婚を選択できない我が国において、養子縁組を通じた法的関係形成の有効性を正面から肯定し、刑事施設における外部交通規制の解釈にも及ぼす射程を持つ重要な判断であり、家族法実務上も注目される。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。