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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ3191
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年4月10日
裁判官
田中一彦信夫絵里子田中一彦

AI概要

【事案の概要】 本件は、オウム真理教の破産管財人と、その後継団体とされる権利能力なき社団である被告(Aleph)との間で平成12年及び平成17年に締結された合意に基づく債権について、破産管財人から当該債権の譲渡を受けた原告(オウム真理教犯罪被害者等の支援を目的として設立された団体)が、被告に対し、未払元本10億2953万4779円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。 オウム真理教は平成8年に東京地方裁判所から破産宣告の決定を受け、破産管財人と被告は、平成12年7月、被告がオウム真理教の犯罪行為による被害者及び遺族に対して謝罪するとともに、破産債権の残債務全額を引き受ける旨合意した(平成12年合意)。その内容は、9億6000万円を平成17年6月末日までに分割弁済し、残額については破産手続結了後に支払時期・方法を協議して確定するというものであった。平成17年には未払残額等につき改定合意が結ばれた。その後、破産管財人は平成21年、破産裁判所の許可を得て原告に対し残債権22億7214万9215円を譲渡し、原告は既弁済分等を控除した額をもって本訴請求した。 【争点】 争点は多岐にわたるが、主たるものは、(1)原告が民事訴訟法29条所定の権利能力なき社団に当たり当事者能力を有するか、(2)原告に当事者適格があるか、(3)平成12年合意及び本件債権の法的性質(自然債務該当性)、(4)本件債権譲渡の効力(被告の承諾の要否)、(5)平成12年合意が負担付贈与契約であり被告が同時履行の抗弁により履行拒絶できるか、(6)本件請求債権の履行期が到来しているか、である。 【判旨】 裁判所は、概ね次のとおり判断して、原告の請求を元本全額及び訴状送達日の翌日である平成30年2月10日からの遅延損害金の限度で認容した。 まず争点1については、最高裁昭和39年10月15日判決の基準に照らし、原告は定款上・実態上とも団体としての組織を備え、多数決の原則が行われ、構成員の変更にかかわらず存続し、代表方法・総会運営・財産管理等の主要事項が確定しているから、権利能力なき社団に当たり当事者能力を有すると認定した。争点2については、給付の訴えにおいて自己の給付請求権を主張する者に原告適格が認められる(最判平成23年2月15日)として、当然に原告適格を肯定した。 争点3については、平成12年合意は被告が破産管財人に対し破産債権の残債務全額に相当する額を負担する債務負担契約(実質は贈与契約)であり、被告が主張する宗教上の信念からする救済の観念は被告の内心にとどまり合意内容とはいえないことなどから、本件債権が訴求力を欠く自然債務であるとは認められないとした。争点4については、合意に譲渡禁止の定めがなく、破産手続終了後の配当実施の受け皿への債権譲渡には合理性があり、原告の組織構成から目的外使用のおそれも考え難いとして、被告の承諾なしでも譲渡は有効と判断した。争点5については、本件債権譲渡は契約上の地位の譲渡ではなく、破産管財人が配当義務を負うのは法令上の職責に基づくものであるとして、負担付贈与を前提とする同時履行の抗弁の主張を排斥した。 争点6については、平成12年合意第4項は、単純な期限の定めのない債務と解することはできず、第一次的には協議による弁済時期・方法の確定を予定するものであるが、合理的な支払猶予期間が経過した後は債権者からの催告により弁済期が到来する旨の合意を含むと解するのが相当とし、本件では平成30年2月9日の訴状送達をもって催告があったとし、同日までに合理的な支払猶予期間は経過していたと認定して、同日経過により遅滞に陥ったと判断した。 本判決は、破産手続終結後に残債務の回収と被害者救済を担う受け皿団体に対する債権譲渡の有効性を肯定し、当事者間の協議条項の解釈を通じて履行期到来の判断枠組みを示した点で、破産実務及びテロ被害者救済の観点から実務的意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。