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行政

公文書部分公開決定処分取消等請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30行コ356
事件名
公文書部分公開決定処分取消等請求控訴事件
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2019年4月10日
裁判官
近藤昌昭青木晋井上泰人

AI概要

【事案の概要】 本件は、東京都板橋区情報公開条例に基づく公文書部分公開決定処分の取消し等が争われた事案の控訴審である。被控訴人(原審原告)は、板橋区長に対し、本件請求対象文書の公開請求を行ったところ、板橋区長は、そのうち一部を非公開とし、その余の部分を公開する旨の部分公開決定(本件処分)をした。被控訴人は、本件処分のうち非公開とされた部分(本件非公開部分)を非公開とした部分が違法であると主張し、同部分の取消し及び同部分を公開する旨の決定の義務付けを求めた。本件非公開部分の内容は、本件請求対象文書が供覧された板橋区役所内の課長、係長等の職員の肩書名であった。 原審(東京地方裁判所)は、被控訴人の請求を認容したため、板橋区(控訴人)がこれを不服として控訴した。 【争点】 本件の主たる争点は、本件非公開部分(区役所内の職員の肩書名)が、本件条例6条1項2号所定の非公開情報、すなわち「特定の個人が識別され得るもの」に該当するか否かである。 控訴人は、被控訴人が別件訴訟の判決書を閲覧したうえで本件公開請求をしており、既に別件訴訟原告の実名・住所を知っていることを前提に、開廷表や別件訴訟の訴訟記録を閲覧して情報を得た特定の範疇に属する者においては、本件非公開部分の情報と照合することにより別件訴訟原告を識別することができるから、本件非公開部分は特定の個人が識別され得るものに該当すると主張した。 これに対し被控訴人は、本件非公開部分は区役所内の職員の肩書名のみからなり、それ自体では当該職員以外の個人を識別できず、他の情報と組み合わせても他の個人を特定し得る情報ではないと反論した。 【判旨】 控訴棄却。 東京高等裁判所は、原判決を正当とし、本件控訴を棄却した。 裁判所は、本件非公開部分に記録された情報、すなわち本件請求対象文書が供覧された部署の職員の肩書からは、法的紛争の抽象的な概要ないし類型を推知し得るにとどまると認定した。そのうえで、既に別件訴訟についてより詳細な情報を知る又は知り得る立場にある特定の範疇に属する者にとっては、本件非公開部分に記録された情報によって、特定の個人が識別され得る新規の有意な情報が付加されるものではないと判断した。すなわち、別件訴訟原告は開廷表や別件訴訟の訴訟記録によって既に識別され得るようになっているのであって、本件非公開部分の開示によってこれに何ら付加するものではないというべきであるから、本件非公開部分は本件条例6条1項2号所定の非公開情報には該当しないと解した。 さらに裁判所は、本件条例の趣旨に照らし、上記のような特定の範疇に属する者の有する情報を、公文書に記録された個人に関する情報が特定の個人を識別し得るものであるか否かを判断する際に照合すべき情報に含めるのは相当でないと説示し、控訴人の主張を排斥した。 本判決は、情報公開制度における個人識別型の非公開情報該当性の判断において、照合対象となる「他の情報」の範囲を限定的に解すべきことを明らかにしたものであり、地方公共団体の情報公開実務に対し、請求者個人の有する特殊な事情や特定範疇の者のみが取得し得る情報を安易に照合対象に含めることを戒める意義を有する判決である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。