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下級裁

損害賠償等請求事件

判決データ

事件番号
平成26ワ2193
事件名
損害賠償等請求事件
裁判所
札幌地方裁判所
裁判年月日
2019年4月11日

AI概要

【事案の概要】 本件は、平成16年法律第163号による裁判所法改正(以下「平成16年改正」)によって、司法修習生が修習期間中に国庫から一定額の金員の支給を受ける給費制が廃止されたことをめぐる国家賠償等請求訴訟である。66期司法修習生であった原告らは、給費制の廃止は憲法14条1項、25条1項、27条1項及び2項に違反し無効であるから、改正前の裁判所法67条2項本文はなお存続すると主張し、同条項に基づき現行65期司法修習生への支給額と同額(237万2480円)のうち1万円の支払を求めた。また選択的に、給費制を廃止する立法及びこれを復活させる立法をしなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法であるとして、逸失利益237万2480円及び慰謝料100万円のうち1万円の支払を求めた。我が国の司法修習は、統一司法修習制度として昭和22年から開始され、給費制とともに戦後法曹養成の基幹をなしてきたが、平成16年改正により貸与制へ移行し、さらに平成29年改正により71期以降は修習給付金制度が創設された。貸与制下に置かれた新65期から70期までの司法修習生(原告らはその中の66期に当たる)は、給付を受けられない狭間に位置付けられており、世代間の取扱いの差が本件の核心的な問題となった。 【争点】 主要な争点は、①給費制が憲法上要請された制度であり、その廃止及び復活させなかったことが違憲か、②給費制の廃止が憲法27条1項及び2項(勤労の権利・労働条件法定主義)に違反するか、③給費制の廃止が憲法25条1項(生存権)に違反するか、④給費制下の司法修習生・修習給付金制度下の司法修習生・裁判所書記官研修生との比較において、給費制の廃止が憲法14条1項(法の下の平等)に違反するか、⑤給費制を廃止する立法及び復活させる立法をしなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法か、⑥損害の有無及び額である。 【判旨】 裁判所は、原告らの請求をいずれも棄却した。まず、憲法は司法権が実効的に機能するに足りる法曹養成を国に要請しているが、法曹養成制度の具体的設計は立法府の合理的判断に委ねられているとした。給費制が憲法上要請された制度であるといえるためには、同要請を満たすのに必須の制度であることを要するところ、修習専念義務や兼職禁止は司法修習の性質に内在する制約であって給費制の対価ではなく、貸与制によっても司法修習生の生活の基盤の確保は可能であるから、給費制は必須の制度とはいえず、憲法上要請された制度とは認められないと判示した。次に、司法修習生は国に対し労務を提供しておらず、憲法27条1項の「勤労」者に当たらず、給費制が同項・2項により保障されているとはいえないとした。さらに、給費制における給与は、司法権を担う法曹の重要性に鑑み、司法修習に人材を吸収し、修習に専念させる見地から支給されていた立法政策上の配慮にすぎず、生存権の保障を具体化したものではないとし、貸与制によっても健康で文化的な最低限度の生活は維持可能であるとして憲法25条違反も否定した。憲法14条1項の平等原則については、給費制廃止には司法制度改革に伴う財政負担の効率的配分、労務を提供しない者への給与支給の異例性等の合理的な立法理由があり、貸与制への移行という手段も著しく不合理ではないとし、さらに修習給付金制度下の司法修習生との別異取扱いについても、平成29年改正は法曹志望者減少という新たな事情に対応した合理的判断であり、貸与制下の司法修習生への補償措置の要否は政策判断の問題にすぎないとした。書記官研修生との比較についても、裁判所職員としての身分を有するか否かという本質的差異があり、合理的理由があるとして違憲性を否定した。以上より、平成16年改正法は違憲無効ではなく、国会議員の立法行為・立法不作為が国家賠償法1条1項の適用上違法であるともいえないとして、請求を全て棄却した。本判決は、法曹養成制度における立法裁量の広さを再確認するとともに、給費制から貸与制、さらに修習給付金制度へと制度が変遷する中で、その狭間に置かれた新65期から70期までの世代が被る不利益について、司法は憲法上の救済を与えないという立場を明確に示したものであり、司法修習給費制訴訟全国弁護団による一連の訴訟の一つとして、後続の裁判例にも影響を与える判断である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。