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下級裁

(事件名なし)

判決データ

事件番号
平成30ネ167
事件名
(事件名なし)
裁判所
福岡高等裁判所
裁判年月日
2019年4月15日
裁判官
山之内紀行松葉佐隆之川﨑聡子
原審裁判所
福岡地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、乳幼児期(0ないし6歳時)に国が実施した集団ツベルクリン反応検査又は集団予防接種(集団予防接種等)を受けた際、注射器(針又は筒)の連続使用によってB型肝炎ウイルス(HBV)に持続感染し、成人になって慢性肝炎を発症した被控訴人ら2名が、国に対し、HBe抗原セロコンバージョン後(同抗原陰性化後)に発生した損害について、国家賠償法1条1項に基づき、損害金及び遅延損害金の支払を求めた事案である。被控訴人1は1375万円(弁護士費用相当額125万円を含む)及び平成20年8月22日からの遅延損害金、被控訴人2は1300万円(弁護士費用相当額50万円を含む)及び平成24年3月30日からの遅延損害金を請求した。原判決(福岡地方裁判所)は被控訴人らの請求をいずれも認容したため、国が控訴した。 【争点】 主たる争点は、①集団予防接種等とHBV感染との因果関係の有無、②除斥期間の経過の有無(除斥期間の起算点として、被控訴人らがHBe抗原陰性慢性肝炎を発症した時点と解すべきか、又は正義・公平の観点から同様に解すべきか)、③損害の発生及びその額(包括一律請求の可否を含む)である。特に、HBe抗原陽性の慢性肝炎と、その後にHBe抗原セロコンバージョン(SC)を経て再燃したHBe抗原陰性の慢性肝炎とを、質的に異なる別個の損害として把握し、それぞれ独立した除斥期間の起算点を認めるべきかが中心的争点となった。 【判旨】 裁判所は、原判決を取り消し、被控訴人らの請求をいずれも棄却した。B型慢性肝炎は、数年ないし20ないし30年と長期にわたる経過をとり、この間、肝機能が軽快、増悪を繰り返すことが多く、HBe抗原セロコンバージョンは重要な治療目標の一つではあるが、あくまで短期的な治療目標と位置づけられるものである。HBVは高度の塩基変異をもたらす性質を有し、SCをもたらす遺伝子変異はB型慢性肝炎患者において高頻度かつ一般的に認められるもので、肝炎が変異の前後を問わずHBVへの免疫反応であることに変わりはなく、SC前のHBe抗原陽性慢性肝炎とSC後のHBe抗原陰性慢性肝炎との間に、じん肺管理区分のような病状の類型的かつ明確な診断基準や重篤さの相違はないと認定した。そのうえで、SC後のHBe抗原陰性の慢性肝炎がSC前のHBe抗原陽性の慢性肝炎とは質的に異なり、その罹患によって新たな損害が発生したとはいえないとした。したがって、被控訴人らの損害賠償請求権に係る除斥期間の起算点は、それぞれSC前のHBe抗原陽性の慢性肝炎の発症時(被控訴人1につき昭和62年12月、被控訴人2につき平成3年1月)であり、提訴時には既に20年の除斥期間が経過していたと判断した。最高裁平成6年2月22日判決(じん肺事件)についても、じん肺による病変が不可逆的であるのに対し、B型肝炎は治療水準の進歩により肝硬変すら不可逆的でなくなってきていること等から、事案を異にするとして、本件への適用を否定した。正義・公平の観点からの除斥期間不適用の主張についても、立法論にとどまるとしてこれを排斥した。本判決は、B型肝炎特別措置法に基づく和解枠外の民事訴訟における除斥期間の起算点について、いわゆる「牽連一体」の損害論を採用した高裁レベルの重要な判断として、実務上大きな意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。