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知財

発信者情報開示請求事件

判決データ

事件番号
平成31ワ2413
事件名
発信者情報開示請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年4月17日

AI概要

【事案の概要】 本件は、「夜景INFO」と題するウェブサイトを運営し、夜景写真を撮影・公開する原告が、被告エキサイト株式会社が運営するブログサービス「エキサイトブログ」上のブログページ(「呉松ふくかずの雑記帳Ⅱ」)に、氏名不詳の発信者(本件発信者)が原告の撮影した夜景写真2点(六甲山から大阪方面を撮影したパノラマ写真、および夜景を眺めるカップルのシルエットを撮影した写真)を無断で掲載したとして、複製権および公衆送信権の侵害を理由に、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)4条1項に基づき、本件発信者に関する氏名、住所、電子メールアドレス、侵害情報に係るIPアドレス・ポート番号、送信時刻等の発信者情報の開示を求めた事案である。本件各画像は平成22年8月26日に撮影されたもので、原告ウェブサイトには「Copyright(c) Night View Photographer X」との著作権表示が付されていた。本件発信者は平成29年8月27日、当該著作権表示を含む形で画像をブログに掲載していた。 【争点】 本件発信者情報の開示請求の要件、とりわけ、原告が本件各画像につき著作権を有するか(写真の著作物性および著作権の帰属)、本件発信者による本件ブログページへの画像掲載行為が原告の複製権および公衆送信権(送信可能化権)を侵害することが明らかといえるか、そして原告が本件発信者に対する損害賠償請求権を行使するために発信者情報の開示を受ける正当な理由があるか、が争点となった。被告は、請求原因のうちブログページの存在および内容は認めつつ、本件各画像と投稿画像との厳密な同一性、写真の著作物性および著作権の帰属については不知と認否した。 【判旨】 東京地裁民事第40部(佐藤達文裁判長)は、原告の請求を全部認容した。まず本件各画像について、本件画像1は長時間露光により街明かりを写し込み、絞りを絞り込んで手前から遠方までピントを合わせる工夫がされ、本件画像2もシャッター速度8秒でカップルが静止した瞬間を捕捉するなど、絞り・シャッターチャンス・構図・アングルに撮影者の創意工夫がみられるから、いずれも写真の著作物に当たると認定した。次に、原告ウェブサイト掲載の画像右下に付された著作権表示が原告のイニシャルと一致し、原告が原データを所持していることから、原告が著作者であり著作権者であると認めた。そして、本件ブログページ掲載画像は被写体・撮影方向・著作権表示の位置まで原告写真と共通することから同一画像であり、画像データの入手先が原告ウェブサイト以外に考え難いことを踏まえ、本件発信者は原告サイトから画像を複製のうえブログにアップロードして送信可能化したものと認定し、複製権および送信可能化権(公衆送信権)の侵害が明らかであると判断した。そのうえで、原告が本件発信者に対し著作権侵害に基づく損害賠償請求権を行使するためには発信者情報の開示が必要であるとして、開示を受けるべき正当な理由も認め、主文のとおり被告に対し発信者情報目録記載の各情報の開示を命じた。本判決は、夜景写真のように一般に撮影技法の工夫が評価されやすい分野において、絞り・シャッター速度・構図等の選択を具体的に指摘して著作物性を肯定し、著作権表示とイニシャルの一致および原データの所持という間接事実から著作権者性を推認した点に実務的意義があり、インターネット上の無断転載事案における発信者情報開示請求の典型例として位置付けられる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。