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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10147
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年4月18日
裁判官
森義之佐野信熊谷大輔

AI概要

【事案の概要】 本件は、意匠登録出願(意願2016-008920号)に対する拒絶査定不服審判請求を不成立とした特許庁審決の取消訴訟である。原告・高山商事株式会社は、物品「卓上敷マット」について、平面視略横長長方形(縦横比約1:1.7)のシート状で、長手方向に多数敷かれた真菰を略等間隔の5本の糸(平面視左から緑・赤・白・紫・黄)で短手方向に編み、外周縁に濃緑色の地に金色の亀甲文様と菱紋状模様を配した細帯状の化粧縁布を設けた意匠を出願した。特許庁は、慶弔用品である経机用マット(意匠1)及び盆飾り用の盆茣蓙(意匠2)の形態に基づき、当業者が容易に創作できたとして拒絶査定を維持し、不成立審決をした。意匠2は本願意匠と極めて類似した構成を備えるが、縦横比が約1:1.8であり、編み糸の色彩が平面視左から緑・紫・白・赤・黄である点で相違する。 【争点】 意匠法3条2項にいう創作容易性の有無、すなわち、慶弔用品分野に属する意匠1及び意匠2の形態に基づき、「卓上敷マット」を含むテーブル掛け等の物品分野の当業者が本願意匠を容易に創作できたといえるかが争点である。原告は、(1)意匠1・2は仏壇に用いる慶弔用品であり日常品たる「卓上敷マット」に転用することは浄・不浄の観念からもあり得ない、(2)見本市で異業種が交流しても物品分野が異なる以上デザインの転用は稀である、(3)本願意匠と意匠2は編み糸の配色及び縦横比の相違により看者に別異の印象を与え、非類似である、などと主張した。 【判旨】 請求棄却。知財高裁第2部は、意匠法3条2項が物品との関係を離れた抽象的モチーフを基準として当業者の立場からみた着想の新しさ・独創性を問う規定である(最判昭和49年3月19日民集28巻2号308頁等参照)と確認した上で、(1)意匠1・2はいずれもテーブル・机という「卓」の上に敷かれて物を載置する点で「卓上敷マット」と用途・機能が共通し、(2)東京インターナショナル・ギフト・ショー等の異業種見本市において慶弔用品とテーブル掛けが同一会場に出品されており、テーブル掛け分野の当業者が盆茣蓙等の形態に接する機会は十分あったと認定し、物品分野は異なるものの意匠1から真菰を並べた卓上敷マットを想到し、意匠2の形態を転用することは容易であったと判断した。縦横比を約1:1.8から約1:1.7に調整する点は、テーブル掛けに様々な縦横比が存在する以上ありふれた手法にすぎず、編み糸5色のうち紫と赤の配置を入れ替える点も、色彩を適宜変更することがよく見られる手法である以上、着想の新しさや独創性は認められないとした。また、意匠法3条2項の創作容易性判断は同条1項3号の需要者視点による美感の類否判断とは基礎を異にし、物品の非類似や美感の相違が直ちに創作非容易に結びつくものではないことを明示し、宗教的感情やデザイン盗用論に基づく原告の主張もいずれも採用しなかった。本判決は、異業種見本市における業界交流の実態と用途・機能の共通性を手掛かりに、慶弔用品分野の公知形態が日用品分野の創作容易性判断の基礎資料となり得ることを具体的に示した事例として、意匠法3条2項の運用上実務的意義を有するものといえる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。