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知財

損害賠償請求控訴事件同附帯控訴事件

判決データ

事件番号
平成30ネ10068
事件名
損害賠償請求控訴事件同附帯控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年4月18日
裁判官
森義之佐野信熊谷大輔
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 インターネット通販サイト「Amazon.co.jp」を通じて米国法人ジョレン本社の製造する医薬部外品(眉毛・体毛用脱色クリーム)を日本の消費者に販売していた控訴人が、日本における独占的販売代理店である被控訴人(ジョレンジャパンを運営する有限会社)を相手取り、被控訴人が自社ホームページに掲載した記事(本件記載1〜6)により信用・名誉を毀損され、また不正競争防止法2条1項15号の不正競争行為を受けたとして、損害賠償を求めた事案である。控訴人は、①Amazonサイト上で「名前を変えて営業する悪質な業者」として控訴人商品が真正品でない旨を示唆する記事を掲載されたこと、②控訴人がアカウント利用停止を受けたのは被控訴人のジョレン本社への働きかけによるものであること、③控訴人の名誉・信用が毀損されたことを理由に、合計550万円等の損害賠償を請求した。原審東京地裁は、本件記載1、2のうち薬事法違反を示唆する部分(本件事実③)のみ不正競争行為に該当するとして33万円の支払を命じ、その余を棄却した。これに対し、控訴人は認容額の拡大を求めて控訴し、被控訴人は認容部分の取消しを求めて附帯控訴した。 【争点】 主要な争点は、(1)本件各記載が控訴人に関するものといえるか、(2)控訴人商品がジョレン本社の真正品であるか(本件事実①の真実性)、(3)真実性の証明による違法性阻却および不競法2条1項15号該当性の成否、(4)控訴人の仕入先とされるHAFA社発行のインボイスおよび陳述書の信用性、(5)原審認容額の損害賠償債務が弁済により消滅したかである。特に、控訴人商品の真贋をめぐり、控訴人が商品現物を処分して証拠提出せず、HAFA社名義のインボイス4通および同社代表者陳述書のみを提出したところ、それら書類の信用性が中心的な争点となった。 【判旨】 知財高裁は、本件記載1、2が控訴人を対象としており、控訴人が真正品でない商品を販売しているとの事実(本件事実①)および薬事法違反(本件事実③)を摘示するものと認めた上で、本件事実①の真実性を肯定した。すなわち、控訴人はAmazonからアカウント停止通知を受け紛争が顕在化していたにもかかわらず商品現物をすべて処分したと主張するなど著しく不自然であること、提出されたHAFA社インボイスには実際の法人登録名と異なる綴り(「Enterprise」と単数形)が記載されていること、甲22と甲50〜52インボイス間で書式が大きく異なり近接時期に書式を刷新した合理的説明がないこと、HAFA社解散後に甲51・52インボイスが発行されていること、陳述書に仕入先やジョレン本社との関係が一切記載されていないことを挙げ、控訴人商品は真正品でないと認定した。これに加え、ジョレン本社副社長Aの陳述書および米国における証拠開示手続での証言が上記認定を裏付けるとした。もっとも、本件事実①を摘示する行為は公共の利益に関する事実につき専ら公益目的でなされたものとして違法性が阻却され、不競法2条1項15号の不正競争行為にも該当しないと判断した。また、本件記載3〜6については、記載内容の独立性や控訴人特定の不十分さから、いずれも控訴人の社会的評価を低下させるとは認められないとした。本件記載1、2のうち薬事法違反摘示部分(本件事実③)についての不正競争行為該当性は原審判断を維持したが、被控訴人が原判決後に遅延損害金を含む全額36万2774円を任意弁済したことにより損害賠償債務は消滅したと認め、附帯控訴を認容して控訴人の請求を全部棄却した。本判決は、並行輸入・真贋紛争において、仕入先を示すインボイスや陳述書の形式的瑕疵(社名のスペル誤り、書式相違、解散後の発行)を積み重ねて真正品でないと推認する判断枠組みを示した点、および真実性証明の成立により不競法15号の不正競争行為にも該当しないと整理した点で実務上の参考となる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。