都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3140 件の口コミ
下級裁

不当拒否損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ2757
事件名
不当拒否損害賠償請求事件
裁判所
福岡地方裁判所
裁判年月日
2019年4月19日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
鈴木博柵木澄子鈴木博

AI概要

【事案の概要】 本件は、北九州市の非常勤嘱託員として子ども・家庭相談コーナーの相談員を務めていた亡C(平成24年4月採用、平成25年3月末退職、平成27年5月に自殺)の両親である原告らが、被告北九州市に対し、亡Cの死亡が公務災害であるとの認定を求めたにもかかわらず、①地方公務員災害補償法(地公災法)69条・70条の委任の範囲を超える違法な北九州市条例(本件条例)を制定・放置したこと、②条例の解釈運用を誤って公務災害認定の申出に応答しなかったこと、③本件条例施行規則2条に定める公務災害発生の報告義務を怠ったことにより、公務災害か否かの判断を受けることに対する期待権を不当に侵害され精神的苦痛を被ったと主張して、国家賠償法1条1項に基づき各自慰謝料80万円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。亡Cの父は在職中からパワハラの存在を申し立てていたが、市の総務企画課は係長や同僚職員への聴取を経てパワハラの事実を否定していた。 【争点】 主たる争点は、①本件条例16条が被災職員らの公務災害認定請求権を定めた地公災法25条2項の適用を除外していることが、地公災法69条・70条の委任の趣旨や労災補償制度との均衡を失し違法無効といえるか、②本件条例の下で被災職員らに公務災害認定の申出権が認められるべきであり、これを門前払いした対応が違法か、③本件条例施行規則2条に基づく公務災害発生届による報告義務違反の有無、④原告らの主張する「公務災害か否かの判断を受けることに対する期待権」の侵害の有無である。 【判旨】 請求棄却。裁判所はまず、地公災法25条2項が被災職員らの請求を補償の前提としているのは、補償が使用者に代わる第三者機関(基金)により実施されるためであるのに対し、本件条例では使用者である市自身が実施機関となり、職員からの公務災害発生届を端緒に職権で補償を実施する構造となっており、被災職員らは公務上災害の発生をもって直ちに具体的補償請求権を取得し、本件条例施行規則7条・9条により補償の実施を直接請求できると整理した。そのうえで、公務災害認定が得られなくても本件条例18条に基づく審査申立てにより不服を述べることが可能であるから、本件条例16条が地公災法25条2項の適用を除外しても被災職員らの権利行使は妨げられず、均衡も失していないとして、条例の違法性を否定した。次に、本件条例には公務外認定の通知義務や公務災害認定を求める独立の申出権を基礎づける規定はなく、国家公務員災害補償制度や他団体の運用を踏まえても、申出権を認めない解釈運用を違法と評価することはできないとした。さらに、被告は原告Aの訴えを受けてパワハラ加害者とされる係長や同僚から相応の事情聴取を行い市長に報告しており、被告市長は調査結果を検討したうえで公務災害に当たらないと判断したと認められるから、施行規則2条所定の公務災害発生届による報告義務違反も認められないと判示した。加えて、条例3条2項の通知は問題を簡易迅速に解決するための事実上の措置にすぎず、原告らは認定を経ずに遺族補償等を請求し得、認められない場合は審査申立てで争えるから、期待権侵害も成立しないとした。非常勤職員に対する公務災害補償条例の構造を、使用者=実施機関型として地公災法の基金型と対比し、両者の違いを請求権の抽象・具体の差ではなく処理経路の差として整理した点に、同種条例の解釈指針としての実務的意義がある。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。