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下級裁

裁決取消等請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ウ19
事件名
裁決取消等請求事件
裁判所
札幌地方裁判所
裁判年月日
2019年4月19日
裁判官
瀬孝河野文彦佐藤克郎

AI概要

【事案の概要】 本件は、不動産賃貸等を業とする原告が、所有する建物(以下「本件建物」という。)について札幌市長から平成27年度固定資産税の増額賦課決定処分を受けたため、本件建物は旧地方税法附則15条の8第4項にいう「貸家住宅」に該当し固定資産税減額措置の対象となると主張して、その取消しを求めた事案である。本件建物は、訴外介護サービス会社に25年間の定期で賃貸され、同社がサービス付き高齢者向け住宅事業を営む施設として平成26年5月から稼働していた。原告は平成26年8月、本件建物が「貸家住宅」に該当するとして減額を申告し、札幌市長も平成27年4月、減額措置を適用する賦課決定をした。ところが訴外会社は平成27年4月、指定登録機関に対し、各入居者との契約方式を平成26年5月1日付で「賃貸借契約」から「利用権契約」に変更した旨の変更届出書を提出した。これを受けて札幌市長は、平成27年度の固定資産税賦課期日(平成27年1月1日)時点で減額措置の適用要件を満たしていなかったとして、平成29年3月、減額適用を取り消し、約207万円を増額する本件処分を行った。原告は審査請求を棄却された後、本訴を提起した。 【争点】 本件の争点は、本件建物が平成27年度固定資産税の賦課期日において、旧地方税法附則15条の8第4項にいう「貸家住宅」に該当していたか否かである。具体的には、「貸家住宅」(旧地方税法施行令附則12条1項2号にいう「その全部又は一部が専ら住居として貸家の用に供される家屋」)の意義と、本件施設の各入居者との入居契約が借地借家法の適用のある賃貸借契約といえるかが問われた。 【判旨】 裁判所は、原告の請求を棄却した。裁判所は、まず「貸家」とは賃貸借契約の目的物たる建物をいうと文理解釈し、さらに本件減額措置制度が、サービス付き高齢者向け住宅における入居契約の方式が賃貸借契約ではないために借地借家法の保護を受けられない場合があることを踏まえ、借地借家法の適用のある賃貸借契約による住宅のみに税制上の優遇を与えて高齢者の安定的居住を促進する趣旨であると解し、不動産取得税減額措置に関する総務省通知との整合性も指摘した上で、「貸家住宅」とは入居契約方式が借地借家法の適用ある賃貸借契約であるものに限られると判示した。その上で、訴外会社が平成27年4月に提出した変更届出書および変更後契約書では、表題が「入居契約書」、権利形態が「利用権方式」、入居者が保有するのは「利用権」とされ、対価も「月払いの利用料」と称して状況把握・生活相談・食事・レクリエーション等のサービス提供と一体の内容とされ、さらに借地借家法30条に抵触する死亡特約まで設けられていたことから、実質においても賃貸借契約方式とはいえないとした。原告の、入居者に建物全体の利用権がないこと、入居一時金を徴収していないこと、「家賃相当額」「共益費」との項目があること、消費税法上「住宅の貸付け」として非課税扱いされていること、居室構造が賃貸借と同様であること、変更届出書に錯誤があること等の主張は、いずれも賃貸借契約性の根拠とならないか判断を左右しないとして排斥された。本判決は、サービス付き高齢者向け住宅に係る固定資産税減額措置の適用範囲を明らかにし、契約書の表題や形式のみならず、権利形態の定めや死亡特約の有無等、契約内容全体を精査して賃貸借契約性を判断する枠組みを示したものであり、同種施設を巡る地方税実務上の指針となる意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。