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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ2704
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
福岡地方裁判所
裁判年月日
2019年4月23日
裁判種別・結果
その他
裁判官
鈴木博酒井直樹

AI概要

【事案の概要】 指定暴力団である工藤會の捜査・取締りを長年にわたり指揮してきた元福岡県警警察官である原告が,退職から約1年後の平成24年4月19日,工藤會傘下の田中組構成員Fから拳銃で銃撃され,左股関節内異物残留,左大腿部銃創の重傷を負った事件について,本件襲撃が工藤會総裁である被告A,会長である被告B,理事長である被告C及び田中組若頭である被告Dの共謀に基づいてFに実行させられたものであると主張し,被告らに対し,共同不法行為(民法719条),使用者責任(民法715条),暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴対法)31条の2に基づき,連帯して損害賠償金2968万3158円及び不法行為の日からの遅延損害金の支払を求めた事案である。原告は警察官在職中に工藤會を破門された元構成員Iに接触し情報収集を図る過程で被告Aを批判する発言をしたところ,これが被告Aの知るところとなって激怒を買い,本件襲撃の動機となったと主張した。 【争点】 争点は,被告らの本件襲撃に対する責任の有無,とりわけ被告Dの指示内容(殺意の有無),被告A,同B及び同Cによる指示の有無,並びに損害額である。被告Dは襲撃指示の事実は認めつつ殺意を否認し,被告A,同B及び同Cはいずれも襲撃への関与自体を全面的に否認した。 【判旨】 裁判所は,本件襲撃について,被告Dが原告の大腿部に向けて拳銃を発射するよう指示した行為は,拳銃の殺傷能力や人体構造上大動脈を損傷し得る危険性を踏まえれば,原告の死亡する危険の高い行為を認識した上での指示であり,殺意を認めるのが相当であると判断した。また,被告Cと思しき人物による原告方周辺の下見,本件襲撃後に被告Cから被告Dを通じてFへ現金50万円が報酬として交付された事実などから,被告Cから被告Dへの指示を認定した。さらに,工藤會では重要決定が被告Aを頂点として被告B,被告Cへと順次指示が伝わる絶対的な指揮命令系統が存在すること,警察捜査を招くような独断行動は上位者の叱責・懲罰対象となるはずであるのに被告Cがこれを受けた形跡がないこと,被告Aが原告に強い憤りと恨みを有していた経緯などを総合し,本件襲撃は被告Aの意思決定が被告B,同C,同Dへと順次指示されて実行されたものであり,少なくとも原告の生命に危険を及ぼす行為まで容認する内容の指示であったと認定した。その上で,被告らの各行為は関連共同する共同不法行為(民法719条)に該当するとして,被告ら全員に連帯責任を認めた。損害額については,治療費169万9062円,入院雑費2万8500円,休業損害59万0240円,逸失利益685万0243円(後遺障害等級12級7号,労働能力喪失率14%),慰謝料1000万円を認定し,労災補償給付443万2080円を損益相殺控除した上,弁護士費用150万円を加算して,合計1623万5965円及び遅延損害金の支払を命じた。本判決は,暴力団の指揮命令系統に基づく組織的犯行について,直接実行行為者に対する指示の連鎖を丹念に認定することで最上位の代表者まで共同不法行為責任を及ぼした事例として,暴対法による代表者等責任の前段階にある民事責任追及の在り方を示すものである。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。