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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ578
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
福岡地方裁判所
裁判年月日
2019年4月23日
裁判種別・結果
その他
裁判官
鈴木博酒井直樹

AI概要

【事案の概要】 本件は、指定暴力団五代目工藤會の構成員Fにより刃物で複数回刺突されるという襲撃を受けて負傷した原告(当時29歳)が、工藤會の総裁被告A、会長被告B、理事長被告Cに対し、使用者責任(民法715条)又は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴対法)31条の2に基づき、連帯して損害賠償金8365万9412円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。原告の父は北九州市a区の業界団体幹部として地元工事の利権に影響力を有する立場にあり、被告Bは原告の父に対し工藤會との関係を繰り返し迫ったが拒絶されていた。そうした経緯の下で、田中組本部長Eの指示を受けたFが平成26年5月26日、原告の勤務先駐車場で待ち伏せ、降車した原告の背中、胸部、下腹部、大腿部を合計7回にわたり刃物で突き刺し、原告は左大腿部刺創等の重傷を負った。 【争点】 争点は、①被告らが本件襲撃についてFを指揮監督する使用者責任を負うか(本件襲撃が工藤會の事業の執行について行われたといえるか)、②被告A及び同Bが暴対法31条の2にいう「代表者等」として損害賠償責任を負うか、③損害額、の各点である。被告らは工藤會の関与及び自らの指揮監督関係をいずれも否認した。 【判旨】 福岡地裁は、工藤會が北九州市内の工事について自らと関係のある業者を下請に参加させ「地元対策費」名目で不正な資金を得ることで運営されていた暴力団であり、重要事項の決定権限を有する被告Bが原告の父に対し繰り返し工藤會との関係を迫り、「會の方針」として危害を加えかねない気勢を示した後、被告Bの出身母体である田中組構成員により本件襲撃が実行されたこと、被告Bが事後に自らや工藤會の関与を否定しなかったことなどから、本件襲撃は被告Bの指示の下、工藤會の資金獲得を目的として原告の父を畏怖させ利権を得ようとしてなされたものであり、工藤會の事業の執行についてなされたと認定した。そして、総裁の被告Aは被告Bより上位の決定権者として、会長の被告Bは重要事項の決定権者として、理事長かつ田中組組長の被告Cは被告Bの意を受けEらに指示した者として、いずれも使用者の立場にあったと認め、使用者責任を肯定した。損害額については、治療費62万7231円、入院雑費・付添看護費12万円、休業損害592万4458円、傷害慰謝料800万円、後遺障害逸失利益2127万4391円(神経症状につき後遺障害等級12級13号、労働能力喪失率14パーセント、喪失期間37年)、後遺障害慰謝料800万円、弁護士費用430万円の合計4824万6080円を認容した。なお、暴対法31条の2に基づく請求は使用者責任に基づく請求と選択的併合の関係にあり、その認容額を超えないことが明らかであるとされた。暴力団トップに対する使用者責任を正面から認め、構成員の襲撃行為を資金獲得活動の一環と捉えた点で、暴力団組織の実態に即した責任追及の先例として実務上重要な意義を有する判決である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。