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下級裁

殺人

判決データ

事件番号
平成30う2200
事件名
殺人
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2019年4月25日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
後藤眞理子福島直之後藤眞理子
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 被告人が、平成28年12月29日、自宅において、生後約2か月の長女(被害児)に対し、殺意をもって、劇薬指定されたアムロジピン(高血圧症治療薬)及びメトホルミン(糖尿病治療薬)の成分を含有する薬剤を投与し、同日、薬物中毒により死亡させたとして、殺人罪に問われた事案の控訴審である。 本件薬剤は、被告人と同居する母親が糖尿病及び高血圧症の治療のために処方を受け、自宅に保管されていたものであった。被告人は、望まない妊娠の末に被害児を出産したシングルマザーであり、被害児の入院中から医療関係者に愛着形成の不十分さを懸念される状況にあった。被告人は、本件当日も、ホストクラブに遊びに行きたいとの気持ちを持ち続けていたが、被害児の育児によりこれが制約される状況にあった。 被害児は本件当日午後4時頃までに死亡したが、被告人は、同日午後4時55分に友人に対しラインで「ってか今日葬式で初回行けねぇ」とのメッセージを送信しておきながら、家族に知らせたり救急搬送を求めることなく、午後6時49分に至ってようやく119番通報した。原審(東京地裁)は、被告人に殺人罪の成立を認め、懲役8年に処したため、被告人側が控訴した。 【争点】 控訴審の主たる争点は、(1)被害児の死因が本件薬剤による薬物中毒であるか、(2)本件薬剤が故意に投与されたものか(電気ポットへの誤混入の可能性)、(3)投与者が被告人であったか(犯人性・死亡推定時刻)、(4)被告人に殺意が認められるか、(5)量刑の相当性である。弁護人は、動物実験の結果からみて致死量に達しない量であり死因は不明、5種類の処方薬のうち毒性の弱い2種が選ばれた不自然さ、電気ポットへの誤混入の可能性、死亡推定時刻は午後6時頃以降であること等を主張した。 【判旨(量刑)】 東京高裁は、本件控訴を棄却した。 死因について、動物を用いた毒性試験の最大無影響量をそのままヒト、とりわけ身体機能に特性のある生後約2か月の乳児に適用することは相当でなく、新生児医療の専門医、毒物学者、法医学者の各供述は相互に整合し信用性が高いとして、本件薬剤による薬物中毒との認定を是認した。故意投与の点も、容量3リットルの電気ポットで7リットルのミルクに錠剤1錠分以上の成分が混入するには多量の錠剤投入が必要であり、家族に気付かれずに偶然混入する事態はあり得ないとして、誤混入の主張を排斥した。 犯人性については、死亡推定時刻に関するC証人・E証人の鑑定(午後4時以降の死亡は考え難い)の信用性を認めた上で、被告人のみに投与の機会があったこと、被害児への愛着形成が不十分であったこと、葬式の語を用いたラインメッセージが被害児の死亡認識なくしては説明困難であること等を総合し、被告人を犯人と認定した。殺意についても、未熟児で退院後わずか1週間の乳児に成人用薬剤を投与すれば生命に危険を及ぼすことは常識上認識可能であり、死亡後も長時間放置した行為態様からも、当初から死を意図していたと推認できるとした。 量刑は、母親ら家族から育児・金銭両面の援助を受け育児ノイローゼ等の事情もない中で、自由に遊びに行きたいとの身勝手な動機で生後2か月の我が子を毒殺し、その後も悼む気持ちや反省を示さない本件は、嬰児殺事案全体の中で最も重い部類に属するとして、懲役8年を維持した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。