都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3171 件の口コミ
最高裁

間接強制決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件

判決データ

事件番号
平成30許13
事件名
間接強制決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件
裁判所
最高裁判所第三小法廷
裁判年月日
2019年4月26日
裁判種別・結果
決定・破棄自判
裁判官
宮崎裕子山崎敏充戸倉三郎
原審裁判所
大阪高等裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、別居中の夫婦間で、妻(相手方)が夫(抗告人)に対し、長男の引渡しを命ずる家庭裁判所の審判を債務名義として、間接強制の申立てをした事案である。間接強制とは、義務を履行しないことに対し金銭の支払を命じて心理的に圧迫することで、間接的に履行を促す強制執行の一類型である。 夫婦は平成19年に婚姻し、長男(平成20年生)、二男(平成22年生)、長女(平成25年生)の3人の子をもうけた。平成27年12月、妻が夫に「死にたいいやや。こどもらもすてたい。」というメールを送信したことを契機に、夫は子ら3名を連れて実家に転居し、以後別居状態が続いた。 平成29年3月、奈良家庭裁判所は、妻を子らの監護者と指定し、夫に対し子ら3名の引渡しを命ずる審判を下し、同年7月に確定した。同年7月、妻は執行官に引渡執行を申し立てたが、執行官が夫宅を訪れた際、二男と長女は妻のもとへ行くことに応じたものの、長男(当時9歳3箇月)は引渡しを明確に拒絶して泣きじゃくり呼吸困難に陥りそうになったため、執行官は長男の心身に重大な悪影響を及ぼすおそれがあるとして執行不能で終了させた。 さらに妻が夫及びその両親を拘束者として人身保護請求を行ったが、大阪地方裁判所は、長男が十分な判断能力に基づき夫らのもとでの生活継続を望んでおり、その意思は自由意思によるものであるとして、請求を棄却し、同判決は平成30年2月に確定した。こうした経過のなかで、妻は改めて間接強制を申し立てた。原審は1日1万円の支払を命ずる間接強制決定をすべきとしたため、夫が許可抗告した。 【争点】 子の引渡しを命ずる審判を債務名義として間接強制決定をすることが、過酷な執行として権利濫用に当たる場合があるか、また本件がそれに該当するか。 【判旨】 最高裁は、原決定を破棄し原々決定を取り消し、妻の申立てを却下した。 まず一般論として、子の引渡しを命ずる審判は、子の心身に有害な影響を及ぼさないように配慮しつつ合理的に必要な行為を行って引渡しを実現することを債務者に求めるものであり、子が引渡しを拒んでいることだけでは直ちに間接強制決定を妨げる理由にはならないとした。 しかし本件では、引渡執行の際に長男が拒絶して呼吸困難に陥り執行不能となったこと、人身保護請求事件で長男が自由意思に基づき父のもとにとどまっていると認定されたことなどから、長男の心身に有害な影響を及ぼさずに引渡しを実現するために父に合理的に必要と考えられる行為を具体的に想定することは困難であると判断した。こうした事情のもとで金銭支払による心理的圧迫を加えて引渡しを強制することは、過酷な執行として許されず、本件申立ては権利の濫用に当たるとした。 【補足意見】 山崎敏充裁判官の補足意見は、間接強制の申立てを受けた執行裁判所は本来実体的事項を審査できないのが原則であるが、本件のように、先行手続において過酷執行に当たることが裁判機関等の判断により明白になっている場合には、例外的にそうした事情を考慮して申立てを却下すべきであり、これは執行手続の迅速性を害するものではないと述べている。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。