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下級裁

住居侵入,殺人,殺人未遂,銃砲刀剣類所持等取締法違反

判決データ

事件番号
平成30う561
事件名
住居侵入,殺人,殺人未遂,銃砲刀剣類所持等取締法違反
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2019年5月20日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
村山浩昭畑口泰成

AI概要

【事案の概要】 本件は、被告人が、平成28年10月19日未明、面識のない大阪府門真市内の一戸建て民家に、1階の腰高窓を焼き破る方法で侵入し、刃渡り約30.7cmの短刀で、就寝中の家人4名を次々と襲った事案である。被告人は、当時43歳の父親Aに対し、胸部・背部等を約30回にわたって突き刺して失血死させたうえ、異変に気付いて廊下に出てきた長女C(19歳)、二女D(17歳)、父の隣で寝ていた長男B(15歳)の順に短刀で攻撃を加え、3名に全治14日〜約6か月の重傷を負わせたが、いずれも抵抗されて殺害の目的は遂げなかった。被告人は平成26年12月に妄想型統合失調症と診断されて入院し、退院後も通院していたが、平成28年3月を最後に通院を中断し、同年8月頃から病状が本格的に悪化していた。原審(裁判員裁判)は、全て被告人の犯行で4名全員への殺意を認定したうえ、犯行当時、妄想型統合失調症により心神耗弱の状態にあったとして、死刑を求刑した検察官の主張を退け、被告人を懲役30年に処した。被告人・検察官双方が控訴した。 【争点】 第一に、被告人の犯人性および殺意の有無(弁護人は、現場には別の「3人の男」がいた可能性があり、殺意も認定できないと主張)。第二に、中心的争点として本件犯行当時の責任能力の程度である。検察官は完全責任能力を前提に死刑選択を主張し、弁護人は心神喪失を主張した。鑑定人2名(乙鑑定・丙鑑定)はいずれも妄想型統合失調症の罹患と犯行直前の病状悪化で一致したが、犯行への影響の評価で見解が分かれ、乙鑑定は妄想の影響が大きいとする一方、丙鑑定は犯行直後から責任回避的供述をしている点から影響は限定的とした。第三に、被告人からは懲役30年は重過ぎ、未決勾留日数算入240日は少な過ぎるとの量刑不当の主張があった。 【判旨(量刑)】 大阪高裁は、各控訴をいずれも棄却した。犯人性については、Cら3名の公判供述、短刀へのAの血液付着、現場で被告人が逮捕された状況等から被告人の単独犯行であることは明らかであり、殺傷能力の高い短刀で枢要部を狙って多数回の攻撃が加えられていることから4名全員への強固な殺意も認められるとした。責任能力については、被告人の病状が犯行直前に非常に悪化していたこと、犯行直後に「だまされた」「弄ばれた」と述べていること、面識のない一家を標的とした動機の不明さ等を整合的に説明できる乙鑑定の方が合理的であり、丙鑑定は採用できないとした。他方、凶器の準備、焼き破りの手順、前日の下見的行動など、犯行準備・遂行の細部まで全て妄想の指示によるものとは考えられず、自発的意思によるものも含まれているから、妄想に直接支配されるまでには至っておらず、心神喪失ではなく心神耗弱と認定した原判決は正当であるとした。量刑については、被害者1名の殺人事案の中でも非常に重い部類に属するが、犯行動機が立証されておらず、一家皆殺しの計画性や残虐的嗜好の発露とまではいえず、妄想型統合失調症の影響が大きかった可能性は否定できないため、死刑ではなく有期懲役刑の上限である懲役30年とした原判決の量刑は相当であり、未決勾留日数240日の算入にも裁量の逸脱はないとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。