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知財

標章使用差止請求反訴事件

判決データ

事件番号
平成29ワ37350
事件名
標章使用差止請求反訴事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年5月21日

AI概要

【事案の概要】 本件は、ハードオフ、オフハウス等の中古品チェーン店を全国展開する株式会社ハードオフコーポレーション(反訴被告)と、平成4年以降同社の各業態の店舗デザイン設計監理業務やロゴ・ピクトグラム制作を受託してきたデザイン事務所(反訴原告)との紛争である。反訴原告が設計した店舗ロゴや商品カテゴリを示すピクトグラムは、約25年にわたり反訴被告の全国数百店舗の看板・カタログ・テレビCM等で使用されてきた。反訴原告の従業員Cが平成29年5月に退社しアークスペースを設立すると、反訴被告は同年6月以降の新規店舗設計業務を同社に切り替え、標章・ピクトグラムも自前で作成したものに差し替えた。反訴原告は、当事者間の合意および著作権法112条・商標法29条に基づき、既存・新規店舗双方での標章等の使用差止めと抹消を求めて反訴を提起した。 【争点】 (1)反訴被告が店舗デザイン業務の委託を停止した場合に無償使用許諾が終了する旨の合意(反訴原告主張合意)の存否、(2)反訴原告標章・ピクトグラムの著作物性および反訴被告標章等による複製権・翻案権の侵害の成否、(3)債務不履行を理由とする無償使用許諾契約の解除の可否である。 【判旨】 東京地裁は反訴原告の請求をいずれも棄却した。まず、約25年にわたり反訴原告が使用料を一切請求せず、制作料も基本的に書面で請求せず、ピクトグラム制作料の事後請求を反訴被告が拒絶した後も反訴原告が新たなピクトグラムを納品し続けた経緯を重視し、両者間には「別途制作料・使用料を支払わずに反訴原告標章およびピクトグラムを使用し続けることができる旨の合意」が成立していたと認定した。他方、委託停止を停止条件として使用許諾が終了する旨の反訴原告主張合意については、裏付ける書面がなく、重要事項であるにもかかわらず当事者間で話し合われた形跡もないとして否定した。店舗設計業務を反訴原告以外に委託しない旨の合意も認められず、アークスペースへの発注は債務不履行に当たらないとされた。著作権侵害については、反訴被告が新たに作成した標章1・2・5およびピクトグラムに関し、アルファベット文字のデザインは「オフハウス」等の名称を伝達する実用的機能を離れて鑑賞対象となる美的特性を備えるに至っておらず、共通点の多くはアイデアまたはありふれた表現にとどまるとして侵害を否定し、ピクトグラムについても同種製品の外観表現としてありふれたものにすぎないと判断した。 本判決は、長期継続的な取引関係の中で書面によらず形成される黙示的使用許諾の内容を、当事者の行動実態から認定した点に実務的意義がある。デザイナーがロゴ等を継続納品しながら使用料を請求しないまま推移すれば、後日さかのぼって使用料を請求することは困難となり得ることを示し、デザイン業務委託契約における権利処理条項の重要性を浮き彫りにした事案といえる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。