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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10047
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年5月23日
裁判官
大鷹一郎古河謙一山門優

AI概要

【事案の概要】 本件は、SSD製造の原告(トランセンド・インフォメーション)が、被告(東芝メモリ。東芝からの分社・合併承継人)が保有する特許第5869058号(「半導体装置およびシステム」)について無効審判を請求し請求不成立の審決を受けたため、その取消しを求めた事案である。本件特許は、NAND型フラッシュメモリを搭載する多層配線基板の反り抑制を目的とし、上層全体と下層全体の配線密度の平均値の差を7.5%以下とし、かつ少なくとも1層の配線密度を80%以上とする構成を特徴とする。東芝が平成23年にした原出願を分割して平成26年に出願・登録された経緯がある。原告は、訂正要件違反、分割出願要件違反、サポート要件違反に加え、原告自身のSSD製品(搭載基板PCB29-7970)が原出願日前に公然実施されていたとして新規性・進歩性欠如を主張し、審決が同主張につき判断を遺脱したとも主張した。 【争点】 取消事由は、請求項21を「電源となるプレーン層」等に限定する訂正が新規事項追加に当たるか、「配線密度差7.5%以下」「平均値60%以上」「配線密度80%以上」との数値限定が原出願当初明細書に記載されていたか(欠ければ分割は不適法で出願日が遡及せず公開公報により新規性を失う)、同数値限定がサポート要件を満たすか、同一仕様のPCB基板搭載製品を主引用例とする公然実施主張について審決の判断遺脱の有無および公然実施該当性、の4点である。 【判旨】 知財高裁第4部は取消事由をすべて退け請求を棄却した。訂正要件について、「電源となるプレーン層」は電源電圧が供給される電源線として機能する配線層を意味し、電源装置そのものを配線層内に設ける趣旨ではないから新規事項追加に当たらないとした。分割要件についても、原出願当初明細書の段落【0016】および図5から、第8層の配線密度を約30〜60%で調整すれば上下差は0〜7.5%に収まり、プレーン層80%やシールド層100%の開示もあるとして、各数値限定は原出願当初明細書に記載されていると判断した。平均値60%以上との上限のない限定も、反り防止という発明目的達成の直接的手段ではなく開示範囲内の限定にとどまるとした。サポート要件も同旨により適合するとされた。判断遺脱については、審決は同一仕様のPCB29-7970搭載製品全般についても公然実施該当性を判断したと読めるから遺脱はないとしつつ、実体審理にも踏み込み、ロシア向け出荷製品は通関所要期間約4日を踏まえれば原出願日前に需要者に到達したと認められず、欧州子会社経由で記事執筆者に貸与された製品は守秘義務下の貸出しで分解解析が許容されていたと認め難いとして、いずれも公然実施に当たらないとした。本判決は、分割出願の新規事項判断について発明目的達成の直接的手段か否かで開示の幅を認め、海外子会社・記事執筆者への製品貸与に関する公然実施の判断枠組みを示した点で特許実務の参考となる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。