都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3129 件の口コミ
下級裁

戒告処分取消等請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30行コ50
事件名
戒告処分取消等請求控訴事件
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2019年5月23日
裁判官
石井寛明林潤
原審裁判所
大阪地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 大阪府立学校の教員または元教員である控訴人ら7名が、入学式・卒業式の国歌斉唱時に起立して斉唱すべき旨を命じた職務命令に違反したこと等を理由に、大阪府教育委員会から戒告処分を受けた事案である。控訴人らは、これらの戒告処分は思想・良心の自由(憲法19条)や教育の自由を侵害し違法であるとして処分取消しを求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づき各10万円の慰謝料を請求した。原審が請求をいずれも棄却したため、控訴人らが控訴した。 【争点】 主要な争点は、①校長hによる控訴人gに対する口頭の職務命令の有無、②本件通達及び各職務命令が憲法19条・20条、教育の自由等に違反しないか、③起立斉唱を強制することが慣例上の儀礼的所作を超えて思想・良心の自由に対する間接的制約として許容されるか、④本件通達が府職員基本条例27条1項の「文書による職務命令」に該当するか、⑤各戒告処分が府教委の裁量権を逸脱・濫用したものといえるか、⑥国家賠償法上の違法性及び注意義務違反の有無、である。 【判旨】 大阪高裁は、控訴人gに関する部分のみ原判決を変更し、gに対する戒告処分を取り消した。すなわち、h校長は、入学式を前にした職員会議で本件通達の写しを配布せず「職務命令」の文言も使用せず、事前面談でも「実際にどうするかは任せます」と述べ、府教委の指導にも従わなかった経緯からすれば、客観的にみて口頭の職務命令を発したとは認められないとした。その上で、当時の府教委の指導方針のもとでは、本件通達に基づく職務命令とともに校長の職務命令が存在して初めて懲戒処分の対象となるとの認識を教職員に抱かせていたと評価し、校長の職務命令を欠く本件戒告処分Gは、懲戒事由の一部に誤りがあり、指導方針・運用にも沿わず、被処分者の認識・予測とも異なるものとして、裁量権の逸脱・濫用による違法があると判断した。他方、最高裁判例(平成23年判決等)を踏まえ、起立斉唱命令は思想・良心の自由に対する間接的制約にとどまり、式典の円滑な進行等の目的・内容に照らし必要性・合理性が認められるとして、その余の控訴人らに対する各戒告処分は適法とした。また、国家賠償請求については、府教委が校長から顛末書を徴し職員会議録等を確認した調査を経て処分をしており、最高裁平成5年3月11日判決の基準に照らし、公務員が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くさなかったとは認められないとして、gに対する処分取消しを認めつつも国賠請求は棄却した。本判決は、起立斉唱命令自体は合憲としつつも、校長による個別の口頭職務命令の成立を客観的に厳格に認定し、指導方針と実際の運用が乖離した場合に裁量権逸脱を認めた点に、懲戒実務における意義がある。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。