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下級裁

株主代表訴訟

判決データ

事件番号
平成26ワ2580
事件名
株主代表訴訟
裁判所
神戸地方裁判所
裁判年月日
2019年5月23日

AI概要

【事案の概要】 本件は、株式会社シャルレ(本件会社)の株主である原告が、同社が子会社のNLC社(新規事業開拓目的の完全子会社)及びライテック社(LED照明事業の子会社)に対し、平成19年から平成24年にかけて10回にわたり合計15億2000万円(NLC社に5億9500万円、ライテック社に9億2500万円)の貸付け又は増資を行い、その全額が回収不能となったことについて、当時の執行役又は取締役であった被告A及び被告Bの善管注意義務違反を理由として、会社法423条1項による損害賠償請求権に基づき、各自の在任期間に応じた賠償を本件会社に対し支払うよう求めた株主代表訴訟である。NLC社が手掛けたU-ペン事業(ドットコードを読み取って音声を再生するボイスリーダーペン事業、後にベトナム向け教材販売に軸足を移したもの)は収益化に至らず、ライテック社のLED照明事業も合弁相手の破綻等により頓挫し、本件会社は両子会社株式を譲渡して事業から撤退した。 【争点】 被告らの善管注意義務違反の有無、特に子会社への貸付け・増資に係る経営判断に、前提事実の調査検討の懈怠又は意思決定過程・内容における著しい不合理が認められるかである。 【判旨】 神戸地裁は、親会社から子会社に対する新規事業用の貸付け・増資に関する意思決定は、事業の成功可能性、失敗時の影響、両社の業績予測や財務状況等を総合考慮した将来予測を伴う経営上の専門的判断に委ねられた事項であり、その決定過程・内容に著しく不合理な点がない限り取締役の善管注意義務違反は成立しないとの、いわゆる経営判断原則の枠組みを示した。その上で、本件各決議(第1決議から第10決議)のそれぞれについて、①子会社を支援する目的及び必要性、②回収可能性、③意思決定過程の合理性、④貸付額の相当性の4視点から個別に検討し、いずれの決議についても、当時の事業計画、市場環境、本件会社の純資産額等の規模に照らして、判断過程及び内容に著しく不合理な点は認められないと判断した。U-ペン事業については、市場未形成ではあるが成功すれば投下資本を上回る利益が見込めたこと、各貸付額は本件会社の規模からみて許容し得るリスクの範囲であったことから、事業継続のための追加融資も合理性を欠くとはいえないとし、ライテック社への貸付けについても、LED照明市場の将来性、合弁による事業体制、価格優位性や確保された顧客等を踏まえた事業計画は不合理でなく、事後的な損失発生のみをもって当初の経営判断を違法とすることはできないとした。結論として被告両名のいずれについても善管注意義務違反は認められないとして請求を棄却した。本判決は、親会社役員が子会社への資金支援を判断する際の経営判断原則の具体的適用を示した事例として、グループ経営における役員責任の実務に示唆を与える。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。