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下級裁

殺人,強盗殺人未遂被告事件

判決データ

事件番号
平成30う128
事件名
殺人,強盗殺人未遂被告事件
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2019年5月24日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
佐藤洋幸柴田厚司

AI概要

【事案の概要】 本件は、被告人が交際相手や夫などの男性4名に対し、カプセル又はオブラート等に入った固体のシアン化合物(青酸化合物)を服用させ、このうち3名を殺害し、残る1名にも中毒による意識障害等の傷害を負わせた上で債務の返済を免れようとしたとして、殺人罪3件及び強盗殺人未遂罪1件に問われた事案である。 第一審判決は、被告人が遅くとも平成18年ころまでにシアン化合物を入手して保管していたと認定した上で、①平成19年12月18日、神戸市内の路上で被害者Nに健康食品を装ってカプセル入りのシアン化合物を服用させ、約4000万円の債務免脱を図ったが未遂に終わった事件(強盗殺人未遂)、②平成24年3月9日、内妻関係にあった被害者Gに喫茶店でシアン化合物を服用させ、バイク運転中に意識を失わせて死亡させた事件、③平成25年9月20日、内妻関係にあった被害者Qにファミリーレストランでシアン化合物を服用させ死亡させた事件、④平成25年12月28日、夫Aに自宅でシアン化合物を服用させ死亡させた事件の各事実を認定し、被告人を死刑に処した。被告人側が事実誤認、訴訟手続の法令違反、法令適用の誤り等を理由に控訴した。 【争点】 主たる争点は、(1)各被害者の死因又は異変の原因がシアン化合物の服用によるものか、(2)被告人が各被害者にシアン化合物を服用させた犯人といえるか、(3)N事件について被告人に債務免脱目的があったか、(4)各犯行当時の被告人の責任能力(犯行後のアルツハイマー型認知症発症との関係)、(5)原審公判時点における被告人の訴訟能力の有無(公判手続停止の要否)、(6)死刑制度及び絞首刑が憲法36条・98条2項に違反しないかである。 【判旨(量刑)】 大阪高裁は、各被害者の遺体や体内からシアン化物イオンが検出された鑑定結果の信用性を肯定し、被害者らの生活状況等からして誤飲や自殺の可能性は考え難く、カプセル等に入った固体のシアン化合物を服用させる機会を有していた者は被告人以外に想定し難いとして、事件性及び被告人の犯人性を認めた原判決の判断を是認した。Nに対する強盗殺人未遂については、「借用証」の作成送付やNの子らへの約4800万円の支払等から本件当時約4000万円の返済義務を被告人自身が認識していたと認定でき、債務免脱目的も肯定できるとした。責任能力については、精神鑑定を行った医師の供述の信用性を是認し、被告人のアルツハイマー型認知症の発症は平成27年ころで各犯行当時には精神の障害はなく、計画性ある犯行態様等からしても完全責任能力を有していたと判断した。訴訟能力についても、被告人には一定程度の短期記憶障害が生じていたものの、審理対象事件を正しく答えられる場面が少なからずあり、黙秘権の意味を理解して応答内容を自ら選択していた上、原審弁護人による適切な援助を受けていたことから、自己の権利を防御するための訴訟能力を保持していたと認め、公判手続を停止しなかった原審に違法はないとした。医師証人が他の関係者の供述調書等を閲読した上で死因等についての専門的意見を証言することは刑事訴訟規則123条の趣旨に反しないとし、さらに死刑制度及び絞首刑は憲法36条に違反せず、死刑廃止は確立された国際法規ではないから憲法98条2項違反もないとして、死刑を選択した原判決の法令適用にも誤りはないと判示した。以上により、事実誤認、訴訟手続の法令違反、法令適用の誤りの各論旨はいずれも理由がないとして、本件控訴を棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。