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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成26ワ1908
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
京都地方裁判所
裁判年月日
2019年5月24日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
久留島群一鳥飼晃嗣秦卓義

AI概要

【事案の概要】 本件は、私立中学校・高等学校に在学中、同級生から継続的ないじめを受けうつ病エピソード又は適応障害を発症したとして、被害生徒本人(原告A1)とその両親(原告A2、A3)が、加害生徒3名(被告B9、B10、B11)、当該中高を設置運営する学校法人、中学・高校の校長・教頭・歴代担任教諭らに対し、総額約1650万円の損害賠償を求めた事件である。原告A1は、平成20年4月に被告中学に入学し、平成23年3月に卒業、同年4月に被告高校に進学したが、平成25年3月に高校を退学した。原告らは、中学1年次の2学期頃から高校2年次にかけて、バイキンタッチと呼ばれる嫌がらせ、物を投げる行為、悪口、無視、孤立化など多数のいじめが被告生徒らの主導で継続的に行われたと主張した。責任根拠としては、被告生徒らについて民法709条・719条の共同不法行為、担任教諭らについて同709条の過失(いじめ発見・調査・指導監督義務違反)、学校法人について在学契約上の安全配慮義務違反(民法415条)、使用者責任(同715条)、教頭・校長についても監督責任を選択的併合で主張した。これに対し被告生徒らは、行為の一部を争うとともに、原告A1が自閉症スペクトラム障害を有しており、うつ病発症はその二次障害や家庭環境等によるものであって因果関係がない旨反論し、あわせて消滅時効(民法724条前段)を援用した。被告教諭ら及び学校法人は、いじめの予見可能性及び調査義務違反を否認した。 【争点】 主たる争点は、①被告生徒らの行為の存否とそれが共同不法行為を構成するかどうか、②被告教諭ら各人に、原告A1に対するいじめを発見し適切な指導監督措置をとり、後任担任に申し送りをすべき注意義務違反があったか、③被告学校法人の安全配慮義務違反及び使用者責任の成否、④被告生徒らの行為と原告A1のうつ病エピソード又は適応障害発症との間の事実的因果関係及び相当因果関係(予見可能性)の有無、⑤両親である原告A2・A3の固有の慰謝料請求権の成否、⑥被告生徒らに対する損害賠償請求権の消滅時効の成否の6点である。 【判旨】 京都地裁は原告らの請求をいずれも棄却した。まず、被告生徒らが中学1年次2学期及び中学2年次1学期に行ったバイキンタッチ、物を投げる行為、悪口等は、原告A1の人格を継続的に深く傷つける違法な権利侵害行為であり共同不法行為に該当すると認定し、慰謝料80万円・弁護士費用8万円の計88万円の損害を認めた。しかし、被告教諭ら及び学校法人については、当時の学校側の把握状況等に照らし、いじめを予見し調査・指導すべき具体的注意義務違反は認められないとし、安全配慮義務違反・使用者責任を否定した。うつ病エピソード等との因果関係については、事実的因果関係は肯定したものの、原告A1が有する自閉症スペクトラム障害の特性により被害体験を長く引きずる傾向があったこと等を考慮すると、被告生徒らの行為から通常うつ病等が発症するとまでは言えず、これは民法416条2項の特別損害に当たり、かつ被告生徒らがその発症を予見し得たとは認められないとして相当因果関係を否認し、治療費・予備校費用等の賠償請求を退けた。両親の固有慰謝料については、最一小判昭和43年9月19日を引用し、生命侵害に比肩する精神的苦痛とは認められないとして否定した。最後に、被告生徒らに対する88万円の損害賠償請求権についても、原告らが遅くとも平成23年2月26日までに加害者と損害を知っていたことから、本件訴え提起(平成26年6月27日)時には既に民法724条前段の3年の消滅時効が完成しているとして、消滅時効の援用を認め、結局全請求を棄却した。学校のいじめ対応義務の射程と、被害者側の精神疾患に対する加害者の予見可能性、さらに民法724条前段の時効起算点が問題となった、いじめ訴訟の実務上重要な先例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。