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行政

東京都市計画高度地区(港区決定)計画書第7項に基づく許可処分取消請求事件

判決データ

事件番号
平成29行ウ470
事件名
東京都市計画高度地区(港区決定)計画書第7項に基づく許可処分取消請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年5月29日

AI概要

【事案の概要】 本件は、都市計画法上の高度地区に関する都市計画である「東京都市計画高度地区」により、建築物の高さの最高限度が35mと定められている港区内の土地に所在するマンションの建替えをめぐる紛争である。当該都市計画の付記7項は、分譲マンションの建替えに際し、総合設計許可を受け、周辺環境への配慮が図られているなど一定の要件を満たすと港区長が認めた建築物については、絶対高さ制限を緩和できるとする特例(以下「7項特例許可」という)を定めている。 本件マンションは、分譲部分と賃貸部分から成っており、分譲部分の区分所有者全員で構成する管理組合と、賃貸部分全部および分譲部分の一部を所有するB社とが、平成28年10月、計画高さ79.95mの建替え計画について共同して7項特例許可を申請し、平成29年6月、港区長から本件許可を受けた。ところが、管理組合の組合員の一人である原告は、管理組合名義での申請は当時の理事長Cが独断で行ったものであって管理組合や組合員からの授権を欠き無効であるなどと主張し、本件許可の取消しを求めて出訴した。被告側には管理組合が補助参加した。 【争点】 第一に、本件許可の取消しを求める原告適格および訴えの利益が認められるか。第二に、管理組合部分の申請に係る授権の欠缺が本件許可の取消事由たる瑕疵となるか。第三に、授権の有無および追認決議の有効性である。 【判旨】 裁判所は、まず原告適格を肯定した。7項特例許可はマンション建替円滑化法上の建替事業の認可要件である「事業計画が法令に違反しないこと」を充足させる法的効果を持ち、認可後は権利変換処分により在来マンションの区分所有権が喪失し新築マンションの区分所有権を取得する地位に立たされる。したがって建替事業の施行が予定されている在来マンションの区分所有者は、7項特例許可の法的効果により権利の制限を受ける者にあたり、取消しを求める原告適格を有すると判示した。 本案では、7項特例許可の本質は建築物を対象とする対物処分であると位置づけた。都市計画や港区の要領等は、許可要件として共同住宅の用途割合、接道、壁面後退、空地率、緑化などの物的要素のみを定め、申請主体の要件は一切規定していない。そうであれば、申請主体の適格は外形上当該建築物の建築主となり得る者かどうかで足り、申請手続内部の授権の欠缺は、外形上建築主となる余地がない者による申請であるなどの特段の事情がない限り、許可の効力に影響しないと解すべきである。 本件では、管理組合が分譲部分の区分所有者全員で構成され、賃貸部分全部を所有するB社と共同で申請している以上、外形上マンション区分所有者全員による申請と評価でき、建築主となり得ない者の申請とみるべき特段の事情はない。よって、管理組合部分の授権の欠缺は仮にあったとしても本件許可の取消事由たる瑕疵とはならず、授権の有無や追認決議の効力を判断するまでもなく原告の主張は理由がない。付随して、港区建築審査会の答申や申請名義冒用に関する主張もいずれも本件許可の取消事由を構成しないとし、請求を棄却した。 本判決は、総合設計制度と連動した絶対高さ制限緩和許可の法的性質を「対物処分」と明確にし、申請主体の内部的授権の瑕疵は許可の効力に影響しないとの枠組みを示した点に実務的意義がある。マンション建替事業をめぐる組合内紛と行政処分取消訴訟との切り分けを示す先例として参照価値が高い。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。