都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3140 件の口コミ
行政

法人税更正処分取消請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成29行コ388
事件名
法人税更正処分取消請求控訴事件
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2019年5月29日

AI概要

【事案の概要】 内国法人である被控訴人が、平成24年4月1日から平成25年3月31日までの連結事業年度において、外国子会社であるE社から、米国デラウェア州LLC法に基づき、資本剰余金に相当する追加払込資本1億ドルを原資とする配当(本件資本配当)と、利益剰余金を原資とする配当5億4400万ドル(本件利益配当)の合計6億4400万ドルの剰余金の配当を受けた事案である。 被控訴人は、本件資本配当については法人税法24条1項3号の「資本の払戻し(剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うものに限る。))」に、本件利益配当については法人税法23条1項1号の「剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うものを除く。)」にそれぞれ別個に該当するとして法人税の連結確定申告をした。 これに対し京橋税務署長は、両配当の決議日や効力発生日が同一であることなどを理由として、その全額が法24条1項3号の「資本の払戻し」に当たるとして更正処分をした。被控訴人がこれを不服として取消訴訟を提起したところ、原審(東京地裁)は、本件配当全体が法24条1項3号の対象となり得ることを前提としつつも、法人税法施行令23条1項3号の定めによると利益剰余金を原資とする部分まで有価証券の譲渡対価として課税される結果となる限度で、同施行令の規定は法の委任の範囲を逸脱した違法・無効なものであるとして、被控訴人の請求を認容した。課税庁側(控訴人)が控訴した。 【争点】 争点は、(1)法24条1項3号の「資本の払戻し(剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うものに限る。))」の意義、(2)本件配当全体が法24条1項3号の対象となるか、本件資本配当と本件利益配当とが別個独立のものか、(3)施行令23条1項3号が法24条3項の委任の範囲を超えない適法なものか、の3点である。 控訴人(国)は、会社法が利益・資本の両原資を統一的に「剰余金の配当」と整理したのを受け、法人税法は剰余金の配当全体をまず「資本の払戻し」と整理し、プロラタ計算によりみなし配当部分と資本部分を分離する仕組みを採用していると主張した。被控訴人は、株主拠出部分と法人稼得利益の峻別という法人税法の大原則に照らし、原資別に別個独立に条文を適用すべきと主張した。 【判旨】 控訴棄却。租税法の解釈は法的安定性の要請から原則として文理解釈によるべきであり、借用概念は特段の規定がない限り私法上と同一の意義に解すべきとの一般原則を確認した上で、法23条1項1号及び法24条1項3号は、平成18年度税制改正において、株主拠出部分と法人稼得利益とを峻別する法人税法の基本原則にのっとり、会社法上の原資概念に依拠して改正されたものと解した。 そして、法24条1項3号の「資本剰余金の額の減少に伴う剰余金の配当」とは、文理上「資本剰余金の額の減少によって行う剰余金の配当」、すなわち資本剰余金を原資とする配当を意味し、同号の適用対象となるかは個々の配当ごとにその原資に応じて判断されるのが自然であるとした。ただし、資本剰余金と利益剰余金の双方を同時に減少して剰余金の配当を行った場合で、配当の先後関係により課税関係に差異が生ずるときに限り、例外的に全体を「資本の払戻し」として法24条1項3号の規律に服するとの解釈が合理的であるとした。 本件については、本件資本配当と本件利益配当はそれぞれ別個の決議書により決議された別個独立のものと認められ、決議日・効力発生日が同一であるといった形式的事情は両配当の性質を単一のものに変じさせる基礎とならないとして、控訴人の「一体的配当」論を退けた。さらに、仮に本件配当全体に法24条1項3号を適用するとしても、施行令23条1項3号の計算式によれば利益剰余金を原資とする部分が資本部分の払戻しとして有価証券譲渡対価に計上されてしまうが、これは株主拠出部分と法人稼得利益を峻別する法人税法の基本原則に反するから、その限度で同施行令は法の委任の範囲を逸脱し無効であるとの原判決の判断を是認した。以上により原判決は結論において相当とし、控訴を棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。