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知財

不正競争行為差止等請求控訴事件等

判決データ

事件番号
平成30ネ10081
事件名
不正競争行為差止等請求控訴事件等
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年5月30日
裁判官
森義之佐野信熊谷大輔
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、任天堂(一審原告)が、公道カートのレンタル事業を営む株式会社MARIモビリティ開発(旧・株式会社マリカー、一審被告会社)及びその代表取締役(一審被告Y)に対し、①「マリカー」「MariCar」「MARICAR」「maricar」等の標章(被告標章第1)を商号・ウェブサイト・広告・車両に使用する行為、②「マリオ」「ルイージ」「ヨッシー」「クッパ」のコスチュームを従業員に着用させ、店舗に人形を設置し、利用者に貸与する行為(被告標章第2に関する宣伝行為及び貸与行為)、③「maricar.jp」「fuji-maricar.jp」等のドメイン名の使用が、不正競争防止法2条1項1号(周知表示混同惹起)・2号(著名表示冒用)・13号(ドメイン名不正取得)の不正競争行為及び著作権侵害に該当するとして、使用差止め・抹消・損害賠償(5000万円に拡張)等を求めた事案である。原判決(東京地裁)は、外国語のみのウェブサイト・チラシについては周知性を否定して請求を一部棄却し、代表者個人の責任も否定したため、双方が控訴した。一審被告会社は控訴審で反訴として、コスチューム着用者の写真等を公衆送信する行為について一審原告の差止権の不存在確認を求めたが、一審原告は反訴提起に同意しなかった。 【争点】 主要な争点は、①「マリオカート」「MARIO KART」「マリカー」の著名性・周知性の範囲(訪日外国人を含むか)、②被告標章第1と原告文字表示との類否、③被告コスチュームが原告表現物の著名な商品等表示に当たり、その貸与・着用・人形設置行為が不競法2条1項2号の「使用」に該当するか、④本件商標「マリカー」の登録を根拠とする権利濫用の抗弁の成否、⑤代表取締役(一審被告Y)の会社法429条1項に基づく第三者責任の成否、⑥有限責任事業組合法(LLP法)15条による出資額限度の抗弁、⑦控訴審における反訴提起の適法性である。 【判旨】 知財高裁は、中間判決として一審原告の損害賠償請求の原因(数額を除く)に理由があると判示した。まず、「マリオカート」「MARIO KART」表示は本件商標出願時(平成27年5月)には日本国内外で著名であり、「マリカー」も日本国内需要者の間で「マリオカート」の略称として周知であったと認定した。そのうえで、被告標章第1は原告文字表示と外観・称呼・観念において類似するとし、外国語のみの表記のウェブサイトを含めて不競法2条1項2号の不正競争行為に該当するとした。本件商標権に基づく抗弁については、一審被告会社が原告文字表示の高い顧客吸引力を不当に利用する意図で商標権を取得したものと推認し、権利濫用に当たるとして排斥した。被告コスチュームの貸与行為についても、不競法2条1項1・2号の「使用」には占有移転を伴う貸与も含まれるとし、原告表現物(マリオ等のキャラクター)の著名な商品等表示性と類似性を認めて不正競争行為該当性を肯定した。マリオ人形の店舗設置及び従業員のコスチューム着用によるカートツアー先導行為も同様に不正競争行為と認めた。ドメイン名については、「maricar」「fuji-maricar」の要部が原告文字表示と類似し、不正の利益を得る目的が認められるとして不競法2条1項13号該当性を肯定した。代表取締役である一審被告Yについては、ゲーム需要者層に合致する若年成年者で「マリオカート」の著名性を熟知し、自らマリオのコスチュームで宣伝活動に従事した事実から、会社の不正競争行為回避義務違反に悪意又は重過失があるとし、会社法429条1項に基づき一審被告会社と連帯して損害賠償責任を負うと判断した。LLP法15条の抗弁は、一審原告が組合ではなく一審被告会社自身の行為を請求原因としている以上失当とした。控訴審での反訴提起は、一審原告の同意がなく審級の利益を害するものとして不適法却下した。本件は、人気キャラクターや略称の顧客吸引力にフリーライドする行為を不競法の著名表示冒用規定により広く捕捉し、代表者個人の第三者責任までを認めた点で、キャラクタービジネス保護の実務に重要な先例となる判断である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。