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行政

道路占用許可処分取消及び裁決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成28行ウ48
事件名
道路占用許可処分取消及び裁決取消請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年5月30日

AI概要

【事案の概要】 本件は、東京都練馬区内を通る関越自動車道の高架下空間を有効活用するため、練馬区が高齢者センター、リサイクルセンター、スポーツ関連スペース、地域交流スペース、倉庫の計5施設を整備する「関越自動車道高架下施設整備事業」をめぐる行政訴訟である。高速道路の管理権限を有する独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(被告)は、平成26年9月に練馬区長に対し道路法32条1項に基づく道路占用許可処分を行い、平成28年3月には建物の高さを低くする等の変更許可処分もした。 関越自動車道の周辺に居住する8名の住民(原告ら)は、高架下区間から直線距離で数十メートルから数百メートルの範囲内に居住しており、高架橋の倒壊や炎上による生命身体への危険、災害時の避難経路への影響、さらに道路構造の保全に支障が生じる点などを理由に本件各処分が違法であると主張し、主位的に当初の許可処分の取消しを、予備的に変更処分の取消しを求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づき1人当たり12万5000円の慰謝料を請求した。 従来、高架道路の路面下の占用は「抑制の方針」が採られてきたが、平成17年以降、国土交通省道路局長通達(5号・17号・19号通達)により街づくり・賑わい創出の観点から活用促進へと方針転換が図られた経緯があり、本件はこうした新方針下における先例的意義を持つ事案である。 【争点】 (1)周辺住民の原告適格の有無、(2)占用許可処分の適法性(道路法32条5項違反、道路法33条1項・施行令7条9号違反、無余地性の基準違反、17号・19号通達違反、人格権侵害)、(3)国家賠償責任の成否が主な争点となった。 【判旨】 東京地裁は、原告8名のうち、高架下区間まで最も遠い原告2名(約数百メートル離れた居住者)の訴えを原告適格なしとして却下し、それ以外の6名(高架橋の高さの約1.3~2.6倍程度の距離に居住する者)については原告適格を認めつつも、請求はいずれも棄却した。 原告適格については、道路法29条・30条、道路構造令、建築基準法44条1項等の関連規定が、高架道路の構造強度の確保と災害時の被害拡大防止を目的とすることを指摘し、これらの規定は「高架の道路の倒壊や炎上等による被害が直接的に及ぶことが想定される占用場所から一定範囲の地域に居住する住民の生命、身体の安全」を個々人の個別的利益として保護する趣旨を含むと解した。具体的範囲は高架橋の高さを基準に判断すべきとし、原告のうち遠方居住の2名は「生命、身体に直接的な被害を受ける蓋然性がある地域内」に居住しないとした。 本案審理では、高齢者センター等の施設は道路法施行令7条9号の「事務所」「店舗」「運動場」またはこれらに類する施設に該当し、高架下の有効活用である以上「無余地性の基準」も満たすと判示。また、19号通達許可基準の市街地における30メートルごとの横断場所確保についても、サムターンカバー付き扉を含めた横断箇所設定と「緊急時の横断場所を常時認識できるようにする」許可条件の付加により合理性が認められるとした。桁下・橋脚からの1.5メートル離隔基準についても、一部1.5メートル未満の箇所(リサイクルセンターの渡り廊下、スポーツ関連スペースの防球ネット)があるものの、渡り廊下は取り外し可能、防球ネット支柱は可倒式とされ、かつ緊急時の移転・除去義務が許可条件で担保されていることから道路構造物の点検・管理への支障はないと判断された。 人格権侵害の主張についても、高架橋の経年劣化はNEXCO東日本の定期点検・補修により対応されているとして排斥し、国家賠償請求も本件各処分の違法を前提とするものであるから前提を欠くとして斥けた。本判決は、高架下活用事業における周辺住民の原告適格判断基準として「高架橋の高さを基準にした距離比」を明示的に採用した点に実務的意義がある。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。