都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3118 件の口コミ
下級裁

保有個人情報不開示決定処分取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ウ75
事件名
保有個人情報不開示決定処分取消請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2019年6月5日

AI概要

【事案の概要】 原告A及び原告Bは,それぞれの父(C・E)が石綿粉じんばく露作業により胸膜中皮腫を発症して死亡した石綿工場の元労働者の遺族である。各原告の母(D・F)は,C・Eの死亡に係る労災保険法に基づく遺族補償年金又は石綿救済法に基づく特別遺族年金の支給決定を受けていたが,いずれも死亡した。 最高裁平成26年10月9日判決(平成26年最判)を受け,国は,石綿工場の元労働者やその遺族が一定の要件を満たす場合に訴訟上の和解により損害賠償金を支払う救済枠組みを整備し,厚生労働省は平成30年2月28日付けで各原告に対し賠償金支払手続を知らせるリーフレットを送付していた。 原告らは,国に対する国家賠償請求訴訟の提起及び和解による賠償金受領を検討するため,平成30年3月,兵庫労働局長に対し,各父の死亡に係る各母の遺族給付等に関する各調査結果復命書及びその添付書類一切(本件各情報)の開示を請求した。これに対し兵庫労働局長は,原告らには開示請求権がないとして,平成30年3月26日付け(原告A)及び同年4月5日付け(原告B)で不開示決定(本件各不開示決定)をした。本件は,本件各情報が行政機関個人情報保護法12条1項にいう「自己を本人とする保有個人情報」に当たるとして,原告らが不開示決定の取消しを求めた事案である。 【争点】 本件各情報が行政機関個人情報保護法12条1項所定の「自己を本人とする保有個人情報」に当たるか否か。被告は,死者に関する情報は原則として開示請求の対象とならず,例外として遺族の個人情報となり得る場合も,当該財産・権利の存在や遺族への帰属が登記記録や確定判決等の高度の信用性ある書面によって明白でなければならないと主張した。 【判旨】 大阪地裁は,請求をいずれも認容し,本件各不開示決定を取り消した。 裁判所は,ある情報が「自己を本人とする保有個人情報」に当たるか否かは,当該情報の内容と当該個人との関係を個別に検討して判断すべきであるとの基準を示した(最高裁平成31年3月18日判決参照)。その上で,本件救済枠組みでは元労働者の遺族(法定相続人)が損害賠償請求権の権利者となることが制度的に予定されていること,原告AはCの,原告BはEの法定相続人であること,本件各情報には(a)局所排気装置を設置すべき石綿工場での石綿粉じんばく露作業従事の有無を直接示す就労状況情報,(b)石綿による健康被害の有無を直接示す病状情報が含まれることを認定した。 そうすると,本件各情報は,原告らがC・Eから相続した国に対する損害賠償請求権の発生要件充足を直接的に示す個人情報という性質を有し,原告らの「自己を本人とする個人情報」に当たると判断した。 被告の主張に対しては,(1)死者に関する情報が原則として開示対象とならないとの主張につき,①法にいう「個人情報」が生存者に限られるのは死者が開示請求の主体となり得ないためにすぎず,②当該情報が「自己を本人とする個人情報」に当たれば他人情報にはならず,③遺族等の自己情報に当たる場合は開示請求が可能であるから特別の規定を置く必要はないとして排斥した。(2)高度の信用性ある書面等による明白性を要求する主張についても,法13条が厳密な立証を求めていないこと,本件開示により行政の適正かつ円滑な運営が阻害される弊害はないこと,原告らの代理人弁護士が開示請求時に平成26年最判の基準による損害賠償請求権発生及び相続を記載した書面を提出していた事実を指摘して,いずれも採用しなかった。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。